「異次元の少子化対策」と国はいうけれど…理想の子どもの人数 5人に2人が「実現困難」 1473人アンケート
国は「次元の異なる少子化対策」を掲げ、自治体でも子育て施策に力を入れる動きが広がっている。南日本新聞「こちら373」は8日の国際女性デーに合わせ、子どもが欲しいかどうかを尋ねるアンケートを実施、理想の人数の実現が困難と答えた人が4割を超えた。年齢や経済的不安を理由に挙げる人が多かった。 【写真】アンケートに寄せられた意見(自由記述欄より抜粋)
子どもを欲しい人が希望をかなえられているか、子どもを持つ予定のない人にとって、持たないことを選びやすい社会であるかなどを探った。1月26日~2月15日、「みなみパス」登録者や南日本新聞社の交流サイト(SNS)を通じて、10代以上の計1473人から回答があった。 子どもを持つことに肯定的な1292人に、理想の人数が実現できるかを聞いた。理想の人数は「3人」が49.4%(638人)で最多だった。「実現しなかった」と回答したのは33%(426人)、「実現しない」「ほとんど実現しなさそう」と答えた人を合わせると42.6%(551人)だった。「実現した」は50.3%(650人)。 実現困難な理由(複数回答)は、「年齢」とした人が36.5%で最も多かった。「経済的不安がある」32.3%、「自分やパートナーに子どもができにくい体の事情がある」18%と続いた。男女別で見ると「仕事を休むのが不安」が女性10.89%に対して男性は2.83%、「子育てをする余裕がない」は女性12.21%、男性5.67%と差が出た。
子どもが「いない」と回答した人は17.1%(252人)だった。鹿児島市の40代女性は自由記述で「欲しくてもできない人がいる。子どもを持つことが全てではない。結婚イコール子どもではない」、同市の50代男性は「子どもがいないことで社会的負い目を感じるのはつらい」と記した。 ◇ 調査は多様な声を聞くのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なる。
南日本新聞 | 鹿児島
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