来場者にマッサージを施す生徒（左）

　数年後に校舎の移転を控える青森市矢田前の県立盲学校（髙橋寿校長）は10日、これまでの感謝の気持ちを伝えるため地域住民らをもてなすイベントを同校で開いた。来場者12人にマッサージや手作りクッキーなどを振る舞い、癒やしのひとときを提供した。 　同校ではあん摩マッサージ指圧師などを目指す生徒たちが実践として日頃から地域住民らに施術を行っており、実施回数は生徒1人当たり年間200件以上に上るという。同市安田地区への移転計画を機に、技術向上に協力してもらったことなどへの感謝を形にするイベントを初めて企画した。 　高等部保健理療科と専攻科理療科の生徒3人は「マッサージ感謝祭」を開催。卒業生2人も加わり、来場者のリクエストに応えながら首や肩、背中などを丹念にもみほぐした。同部普通科の生徒5人は「県盲カフェ」を開き、マッサージを終えた客をおもてなし。飲み物に加え、チョコの点字をあしらったクッキーや紅茶の茶がらを活用した「SDGs」クッキーなどを給仕した。 　来場者はマッサージに気持ちよさそうな声を漏らしたり、クッキーをつまみながら世間話に花を咲かせたりしていた。約50年前に同校で教員を務めていたという同市の加賀谷眞木子さん（76）は「アットホームな雰囲気で、かゆいところに手が届くマッサージを受けられて大満足。卒業生や現役の生徒たちがたくましく頑張っている様子が分かって感無量」と目を細めた。 　マッサージを担当した専攻科理療科2年の奈良岡裕介さん（26）は「今まで臨床室に来てくれた皆さんに感謝の気持ちを込めてマッサージした。『気持ちいい』『さっぱりした』など良い反応がもらえてよかった」と話した。普通科2年の日渡優花さん（17）は「みんながクッキーをおいしいと言ってくれてうれしかった。コミュニケーションを取りながらいろいろな感想を聞けたので、来月の県盲祭での販売に向けてさらに改善していきたい」と語った。