扶養の枠を超えても扶養内にとどまれる制度を使って多めに働いた場合、高校の授業料無償化に影響しませんか?
「年収が増えたけど、年収の壁・支援強化パッケージによって扶養内にとどまっていた場合、高校無償化の制度は利用できる?」と不安に思う人もいるでしょう。高校無償化の制度において重要なのは、扶養内であるかではなく世帯年収です。 本項では、扶養内にとどまるための年収の壁・支援強化パッケージについて解説しつつ、高校無償化への影響について解説します。収入が増えても高校無償化制度を利用できるのか知りたい人は、参考にしてください。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
扶養内にとどまるための「年収の壁」とは
パートで収入を得ている場合、配偶者の扶養内に収まることで負担を減らしている人も多いです。しかし扶養内にとどまるためには、年収の壁について理解し、扶養から外れないようにしなくてはなりません。本項で、年収の壁とはなにかについて見ていきましょう。また、年収の壁があるせいで就業調整をしている人を支援する制度についても解説します。 ■年収の壁 年収の壁とは、社会保険料を納めるかどうかが決まる年収のラインを指します。扶養内にとどまるための年収は、106万円以下もしくは130万円以下です。勤め先の企業規模等によって年収の壁は変わるため、以下で条件を確認しましょう。 【年収の壁が106万円以下の人】 ●学生以外 ●被保険者が常時101人以上(令和6年10月からは51人以上)いる事業所に勤めている ●週20時間以上勤務 ●所定内賃金が月8万8000円以上 上記の条件を満たした人は厚生年金・健康保険に加入しなくてはなりません。 【年収の壁が130万円以下の人】 ●被保険者が常時100人以下の事業所に勤めている 年収の壁が130万円の場合は国民年金・国民健康保険に加入しなくてはなりません。 どちらの年収であっても扶養から外れてしまい、社会保険料の負担が発生します。その場合手取り収入が減少してしまうため、就業調整するケースも見られます。 ■年収の壁・支援強化パッケージとは 手取り収入が減ってしまわないよう就業調整をすると、労働力の減少や労働者側が働きたくても働けない状況となるでしょう。そこで、「年収の壁・支援強化パッケージ」という制度が2023年10月からスタートしました。 年収の壁が106万円の場合、賃上げによる基本給の増額や所定労働時間の延長といった取り組みをする企業に対して、労働者ひとりあたり最大50万円が支援されます。 年収の壁が130万円の場合、収入が増えたことが一時的であると企業が証明することで被扶養者認定を継続させられ、130万円を超えても配偶者の扶養内にとどまれる仕組みです。ただし、制度を利用できるのは現状では2年です。