BMWのM、メルセデス・ベンツのAMGに新たな刺客、「N」とは一体何者か? ヒョンデ「IONIQ 5 N」の超実力
■まずは「体験」してほしい 「韓国では、それまでICE(エンジン車)に乗ってきた層に興味を持ってもらうため、数々の装備を搭載しました」とワルテンバーグ氏。「いまの段階でここまでやらなくも?」という質問については、誰もいないマーケットに入っていく”先行者利益”とする。 「速く走らせるために操作がやや複雑だという意見は、韓国でもあります。でも、自分好みのIONIQ 5 Nを仕立てる楽しみと捉えていただければ」
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンでPR/マーケティングなどを担当するバイスプレジデントのイム・ミンジュ氏は語る。 「今後は、スマートフォンのようにOTA(Over The Air)で機能をアップしていく予定です。テックサビー(Tech Savvy)ともいえるテクノロジー好きや、人とは違う新製品を好む層にアピールし、それが成功したことで、今は次の段階に入っています」 「日本市場でも、“EV LOVE”とでもいうような、エッジーなテクノロジー好きの方が興味を持ってくれているようです。でも、私たちは既存のIONIQ 5やコナといったファミリー向けモデルと、IONIQ 5 Nがまったく違うクルマだと思っていません。電気のポテンシャルをフルに使えるように開発した点では、同じベクトルにあると考えています。ヒョンデの技術力を体感してもらいたい、というのが最大の望みです」
日本市場での成功の可能性も高いのでは、というイム氏。大事なことは、「実車を体験してもらうこと」だとする。 「コナも同様でしたし、IONIQ 5 Nも“乗ったらわかる”という表現がぴったりなクルマです。クロスオーバーでもハッチバックでもない、NはN。この唯一無二の存在感を体験してもらうことが成功につながると、私たちは考えています」 日本での価格は、900万円前後になるという。6月5日の正式発売前に、4月25日から限定50台で「IONIQ 5 Nファーストエディション」の予約注文が始まっている。
M、AMGといったモデル名に惹かれる人なら、パワートレインが違っていても、いや、逆にだからこそ、IONIQ 5 Nが開拓する新しい世界をぜひ一度体験してみてほしい。 【写真】新世代スポーツ「IONIQ 5 N」のスタイリングを詳しく見る
小川 フミオ :モータージャーナリスト