【ネタバレ】劇場版『風都探偵』原作にないバトルを追加した狙い 椛島洋介&三条陸&塚田英明が語るサプライズの裏側
「W-G-X」ではなく「W-B-X」挿入歌を急遽変更
オーシャン・ドーパントのデザインは、「風都探偵」のクリーチャーデザインを担当する寺田克也が担当した。「寺田さんに発注する時は、あえて役どころなどは言わず『このドーパントを描いてください』と名前とイメージだけ投げることが多いんです。しかし、今回のオーシャンに関しては『劇場版のラスボスです。こんなふうに活躍して、対戦相手はファングジョーカーです』と劇中での役割を共有して発注しているので、ラスボスにふさわしいデザインに仕上げていただきました」(三条) 変身者である大嶋凪は、園咲霧彦/ナスカ・ドーパントの前の“冴子の男”という方向性でキャラクター設定が進められたという。「“冴子の男”シリーズは本当に大好きなシリーズなので。この間もコン・テユ(加頭順/ユートピア・ドーパント役)にもインタビューを実施したり、世間は今、冴子がアツい状態ですから」(塚田)
また、オーシャン・ドーパント戦では「仮面ライダーW(ダブル)」の主題歌「W-B-X ~W-Boiled Extreme~」が流れるサプライズもあった。当初は「風都探偵」の挿入歌「W-G-X ~W Goes Next~」が使用される予定だったが、椛島監督のこだわりで差し替えられたという。「翔太郎とフィリップにとっての初バトルなので、ここは『W-B-X』でないと成立しないと急遽差し替えをお願いしました。『W-G-X』の歌詞は、『風都探偵』における2人になぞられて書かれているので、原点にふさわしい『W-B-X』がピッタリですよね」(椛島監督)
サイクロンスカルのデザイン秘話
また、最後のサプライズとして登場したのが、鳴海荘吉&フィリップで変身する仮面ライダーW幻の基本フォーム「サイクロンスカル」だ。当初は、原作通りにシルエットで登場する予定だったが、実写ドラマでスカルをデザインした小林大祐によって、ファン待望の映像化が実現した。 三条は「基本設定上、ダブルドライバーを使用すれば全部Wのボディの鋳型になるはずですが、強力なスカルメモリに少し干渉されているようなデザインにしてみたらどうだろうということで、胸や口のデザインなどは若干スカル寄りで、マフラーもスカル風のものになっています」とビジュアルについて解説。椛島監督も「すでにやり取りされているデザインを見せていただいた時に、胸がスカルの肋骨になっていたりして、『これを描きたい!』とずっと思っていました」と興奮気味に振り返っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
『劇場版「風都探偵 仮面ライダースカルの肖像」』は期間限定上映中