「2連投もしないようにしたい」ソフトバンク倉野信次コーチが描くリリーフ陣の理想 救援防御率はリーグトップ
◆記者コラム・タカ番24時 6月2日の広島戦。3点リードの6回から継投策に入る。マウンドには藤井皓哉。主に7回を投げるだけに意外だった。杉山一樹、津森宥紀とつなぎ、9回はヘルナンデス。オスナは連投でベンチ外、松本裕樹も登板なしが決まっていた。それでもこれまでの接戦と異なるリレー。倉野信次投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーターは「シミュレーション通り」と言い切った。 ■〝大物俳優〟がペイペイドームのマウンドに!?【写真】 ある発言を思い出した。「いずれはそれが主流になっていくと思います」。倉野コーチが真剣な表情で口にした構想。「勝ちパターンローテーション」についてだった。 先発では中6日でのローテーションが一般的。救援陣に対しても、近年は連投を避けるなど負担軽減の取り組みが進む。ただ、勝ちパターンの投手は固定される場合が多い。 それでも今の救援陣には勝ちパターンローテーションを可能にする下地がある。救援防御率はリーグトップ。オスナ、松本裕、ヘルナンデス、藤井の存在に加え、津森、長谷川は防御率0点台、杉山も1点台だ。個々の状態を考慮し、適切な状況で投入する。2日の「6回藤井」についても「(起用場所は)日々変わっていく」と語った。 倉野コーチが常々口にするのは選手のパフォーマンス最大化。救援陣の運用の理想もある。「3連投はおろか、2連投もしないようにしたい」。勝ちパターンとして「誰が投げてもいい」状況をつくることが最高の状態。近いうちにこれまでの球界の常識を変える時が来るかもしれない。(鬼塚淳乃介)
西日本新聞社