ブラジル・レアルが日中取引で過去最安値、予算案に投資家が失望売り
(ブルームバーグ): 28日の外国為替市場で、ブラジル・レアルが過去最安値に下落した。ブラジル政府は120億ドル(約1兆8200億円)の歳出削減策を提案したが、投資家は失望売りで反応した。
レアルは取引開始直後に1.1%安の1ドル=5.99レアルに急落。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中だった2020年5月に付けたこれまでの安値、5.97レアルを下回った。年初来の下落率は19%と、新興国通貨のうち最も大きい。
アダジ財務相は最低賃金の伸びを抑制し、公務員の高額給与を制限、月額5万レアル(約127万円)を超える所得に対する税率引き上げなどを含む措置を発表した。政府はまた、月5000レアルまで所得税の控除対象とすることも決めたが、支出削減パッケージの財政に対する影響を薄める措置だとしてトレーダーらの悲観を強めた。
財政赤字膨張への懸念が強まる中で、ブラジル資産は売り込まれている。ルラ大統領は2023年の就任以来、貧困層の生活水準を改善するという公約を果たそうと支出を拡大してきた。
原題:Brazil’s Real Drops to All-Time Low as Spending Cuts Fall Flat(抜粋)
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Giovanna Bellotti Azevedo, Leda Alvim