芸人「学園祭で手抜き騒動」の真相…地方営業の知られざる高待遇と“実力派”でもスベる特殊事情
芸人にとってもおいしい地方営業、手抜きすれば呼ばれなくなる
また、文化祭・学園祭とは違うが、今回は地方営業についても多くの芸人が賛否の対象になっている。 地方営業はお祭りや会社のイベントなど多岐にわたるが、正直言って芸人にとってギャラ的においしい仕事になる。よほどポリシーがある芸人以外は、地方営業は絶対にやりたい仕事の一つであるのは間違いない。 実際、筆者が関係した地方自治体も絡んだイベントでは、テレビ出演より高額なギャラが芸人に支払われたケースもある。そう考えると、芸人が手を抜くというのは考えづらいというのが本音だ。 ただ、地方営業の場合は、ネタやトークだけでなく色々と制限がかかる場合もある。例えば、その企業のPRのためお客さんと景品をかけたじゃんけん大会をしたり、御当地の特産物をネタに混ぜてくれと無理難題を言うケースも。 芸人は自由にネタをすることができなくなる事情もあり、結果それを見て、本ネタではない等の理由で、手抜きをしたと感じる客も出てしまう現状だ。
SNSの情報を鵜呑みにするのは危険
今回のオズワルドとパンクブーブーへの批判を受け、多くの人がSNSで芸人を批評している。特にパンクブーブーに関しては、X上では批判的なメッセージで溢れている印象だ。 しかし、パンクブーブーは本当に手抜きをしたのだろうか? ちなみに筆者は吉本興業から一銭も貰っていないが、2人のステージにかける思いを知っているだけに「手抜き」ではなく、何かしらうまく噛み合わなかった場面があったのではないかと考える。 芸人との仕事が多かった筆者からすると、「大きなステージだから本気を出す、地方の営業だから手を抜く」という芸人はいなかったと記憶する。 そもそも、前述したように地方営業および文化祭・学園祭のギャラの良さは10年以上変わっていないので、手を抜いて干される危険を冒す芸人は皆無ではないだろうか? もちろん、ステージがつまらなかったと報告するのは見た人の自由だ。ただ、あまり無責任に「手抜きだ、印象が悪かった」とSNSで書き込むのはかなり危険。そして、そういった投稿に脊髄反射的に批判を重ねる行為はさらに危険だということを、理解しないといけない。 <文/ゆるま小林> 【ゆるま 小林】 某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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