〈とやま衆院選2024・1区〉田畑さん、5選に涙 「富山のため粉骨砕身」
自民に吹いた猛烈な逆風に、自民大国・富山が大きく揺らいだ。大激戦となった県都の1区で自民の田畑裕明さん(51)はかろうじて小選挙区の議席を守ったが、立憲民主の山登志浩さん(44)が比例の復活当選で同党として初の議席を獲得し、県政界は新たな局面を迎えた。 県都の富山1区では、自民前職の田畑裕明さんが立憲民主新人、無所属前職、維新新人、共産新人の4人を破って5選を果たした。 「やったぞー」「良かったー」。28日午前0時45分、県薬業会館内の会場に当選確実の一報が知らされると、会場から待ってましたとばかりに拍手が沸き上がった。過去の選挙と異なり、投票終了と同時に当確が報じられることはなく、支持者が祈るような思いで待ち続けた。 午前0時50分に涙を流す妻あみこさんとともに、会場に姿を見せた田畑さんは「ありがとうございます」と繰り返し、支持者一人一人と握手を交わした。 自民党派閥や自身の「政治とカネ」を巡る問題に対する厳しい逆風の中、大激戦を制して県都の議席を死守。当選しても笑顔はなく「大変厳しい戦いだった。多くの皆さんの力添えのおかげで勝利できた」と深く頭を下げた。 目に涙を浮かべた五十嵐務選対本部長が勝利宣言し、選対総括責任者の中川忠昭県議が「首の皮一枚つながった。ゼロからもう一度、富山のため、国のために働いてもらいたい」と述べ、万歳三唱した。 田畑さんは花束を受け取り、ようやくほっとした表情で勝利をかみしめた。「ふるさと富山の発展のため、新たな未来をつくるため、粉骨砕身で頑張っていく」と5期目への決意を語った。 野上浩太郎参院議員、藤井裕久富山市長、公明党県本部の佐藤則寿代表、蔵堀祐一副知事が順に祝いの言葉を述べ、万歳を繰り返した。田畑さんは会場出口に立って、一人ずつ丁寧に感謝の言葉を伝えた。