富山・高岡の旧鋳物工場保存へ 地元有志が団体設立
ニシン釜製造などで栄えた富山県高岡市金屋本町の旧冨田鋳物工場跡地を鉄鋳物にまつわる産業遺産として残そうと、地元有志が団体を立ち上げて保存活用に乗り出す。資料館や市民が集う公園を整備するなどの構想があり、鋳物の街の文化継承や高岡のにぎわいづくりにつなげる。 同工場は1900年から80年ごろまで稼働し、ニシン釜や風呂釜を製造した。作業場やニシン釜の鋳型、キュポラと呼ばれる溶解炉が残り、当時の鋳物生産の様子がうかがえる。 高岡鋳物の初期の主流だった鉄鋳物の歴史を後世に伝えようと、有志が整備を目指すことにした。工場は国重要伝統的建造物群保存地区の金屋町と山町筋の間にあり、街全体の周遊性も高めたい考え。 発起人には所有者や地元自治会、経営者らが名を連ねる。27日に発起人会を開き、具体的な活用法を検討していく。