新潟市の老舗菓子店が特別清算開始命令、新設会社が事業を承継【新潟】
新潟市北区で「お菓子のきくや」の名称で菓子を製造販売する会社が、裁判所から特別清算開始命令を受けたことがわかりました。 民間の信用調査会社「帝国データバンク」によりますと、新潟市北区の「(株)シルクロード(旧(株)きくや)」は1939年8月創業し、64年6月に法人設立された菓子製造小売り業者です。 「お菓子のきくや」の名称知られ、マドレーヌ・ガトーショコラなどの洋菓子や、最中・まんじゅうなどの和菓子を冠婚葬祭向けの菓子を販売していました。 新潟市内に複数の店舗を展開し、他社の受注を請け負うOEM受注が好調だった2006年5月期には、年間の売上高は約9億1900万円を計上していました。しかし、その後、婚礼や葬儀の簡素化が進み、新型ウイルスの感染拡大の影響で主力の冠婚葬祭の受注が大きく減少し、2021年5月期の年間の売り上げ高は約4億1600万円にまで低下し、赤字が続いていました。 2023年5月期の年間売上高は、約5億4000万円まで改善したものの、原材料価格などの高騰が収益を圧迫し、工場新築時に導入した借入金の返済負担も重く厳しい資金繰りが続いていました。 金融機関から支援を受け立て直しを模索する中で、贈答品などの販売を手掛ける東京都内の企業がスポンサーに浮上し、新設会社の「(株)きくや」が2024年5月末に事業を承継。同時に称号を変更し、6月21日開催の株主総会の決議により解散、清算の準備を進めていました。旧企業の負債は、約4億円。 現在は、新設した「(株)きくや」が営業を継続しています。