【元大手塾講師が教える】塾の「特待生制度」対象になれば家計の助けに?メリットだけではない点も
【特待生制度】月謝のみが対象で教材費や講習会は支払うことに
特待生での割引対象となるのは基本的に「授業料のみ」という塾が多いです。しかも、塾の月謝は授業料の他に施設維持費、管理費といった項目の経費の他に模試代や教材費が発生すれば月謝に含まれます。 特待生制度の減額対象は授業料のみだと、たとえ優秀な成績を収めて授業料全額免除になったとしても、諸経費は支払うことになります。そして、夏休みなどに行われる季節講習会は通常授業とは別枠の授業であり、こちらも対象外となるケースが圧倒的に多いです。 割引制度の恩恵を受けてリーズナブルに塾通いをしていても、季節講習会では他の生徒と同じ額を支払うことになります。ちなみに季節講習会では専用のテキストを使用して授業を行い、最終日にテストが行われたりと授業料の他にも費用が発生する点も気をつけたいところです。 さて、塾代を抑える場合は「季節講習会はパスする」という選択をすれば1年間を通してかなり教育費を抑えることができます。しかし、受験学年にとって天王山でも非常に重要な夏休みに行われる夏期講習会の授業を全く受けない、という判断を下すのも難しいものがあります。 結局、季節講習会に関しては「子どもの意志次第」「最近の成績の推移次第」ということになり、参加する場合は予定よりもお金がかかるので「講習会を受けた時の教育費」もどのくらいかかるか予測しておくのが無難です。
【特待生制度】「塾の特待生」になる道は険しい
塾も教育サービスであり会社として利益を出す必要があります。特待生の基準を甘くすれば対象となる生徒が増えてしまい、収入額が減ってしまいます。そのため、特待生の認定を受けるのも甘いものではありません。 塾によって異なりますが、一般的に以下のような条件が設定され、クリアする必要があります。 ・塾が指定するテストで特待生認定となる偏差値をクリアする ・塾が指定する学校または大学の志望校合格判定がB以上 ・特待生認定の適用期間があり更新するためにテストを受ける必要がある ・塾が指定する大学、高校、中学を受験する 塾としては「難関校の合格実績を出したい」という思惑があり、こうした条件を1つまたは複数クリアしなければ特待生にはなれません。 塾が指定する学校は中学や高校であれば最難関校を中心であり、大学であれば東京大学、京都大学や東京工業大学、国公立大学の医学部医学科といった「非常に優秀な子しか合格できない学校」です。 そうした学校の志望校合格判定でB以上を取れる生徒は限定されます。厳しい言い方ですが、塾の特待生制度は塾に通う多くの生徒にとって「自分とは関係のない制度」といえるでしょう。