泉谷しげるが48年ぶりフォーライフ復帰 吉田拓郎「イメージの詩」をカバー「いつか歌いてぇと思っていた作品。設立50周年と聞いたとき、盛り上げてやりたいと思った」
シンガー・ソングライターで俳優、泉谷しげる(76)が半世紀前に一緒にレコード会社、フォーライフを設立した盟友、吉田拓郎(78)のデビュー曲「イメージの詩」をカバーすることが12日、分かった。48年ぶりに古巣復帰し、2025年2月12日に発売するアルバム「シン・セルフカバーズ〝怪物〟」に収録される。「いつか歌いてぇと思っていた作品。設立50周年と聞いたとき、盛り上げてやりたいって思ったんだよな」と熱い思いを吐露した。 1975年6月。当時、若者から絶大な支持を得ていた拓郎、泉谷、井上陽水(76)、小室等(80)の4人がアーティストによるアーティストのためのレコード会社を掲げて設立したのがフォーライフ。 業界内に波紋を巻き起こし、当時4人の総売上金から「100億円の旗揚げ」と注目されたが、泉谷は2年後の77年に考え方の違いから退社。その後、3人も次々と経営から退いた。 歳月は流れ、昨年、東京都内のライブ会場で、泉谷と設立当時副社長で現社長、後藤豊氏(75)が偶然再会。何度か会って話すうちに、「後藤さんの男気に共鳴した。来年50周年だし、気付いたら一緒にやりたいと思うようになった」と告白する。 48年ぶりの古巣復帰を決意し、企画したのが今回のアルバム。「怪物」「たった一人の熱き思い」の2曲を書き下ろし、他の収録曲は自身の楽曲をセルフカバーすることにした。 「全国をライブでまわると、当時の曲を現在のボーカルで聴きたいっていうファンが多くて。厳選した6曲を76歳の俺が歌い直すことにした」と明かし、「ミュージックビデオの制作も考えている」と付け加えた。 さらに「フォーライフから出すんだったら」と拓郎のデビュー曲「イメージの詩」をカバーすることに。同曲にこだわった理由について、95年8月の阪神淡路大震災チャリティーライブで浜田省吾(71)が同曲を歌う姿を見て「実にカッコよかったんだよ。『俺も歌いたい』って、ずっと機会を狙っていたんだ。拓郎にも『俺にカバーさせろ』って言って(許可取って)歌うことにしたわけさ」と声を弾ませた。 泉谷の提案に後藤氏は「自分と拓郎の出会いも『イメージの詩』だったから、(泉谷が)収録したいと言った時は感慨深かった」と振り返る。半世紀たった今もなお、設立当時の気概を持つ泉谷とフォーライフが日本の音楽界に再び旋風を巻き起こす。