サッカーを始めたきっかけは原爆だった… 戦争を乗り越えてつないだ思いを後輩へ ~広島・修道高校サッカー部~
「将来は軍人に」という目標を失いました。戻った学校で無気力な日々を過ごしていた少年が目にしたのは「サッカー」です。戦争に奪われた青春を取り戻したいと、練習に打ち込みました。戦後間もない頃、仲間とともにボールを追いかけたのが、修道のグラウンドです。 ■卒業生 下村幸男さん 「(現在のグラウンドを見て)いいねえ。こんなにね。部員の数がずいぶん増えているね。我々の時は20人足らずだったと思いますがね。元気ですよ。」
大先輩から、後輩たちにエールです。 ■卒業生 下村幸男さん 「持っている力を十分に発揮して、がんばってほしい。頑張ってください。」
そして、2024年の広島県大会の決勝が行われる『エディオンピースウイング広島』へ。 ■卒業生 下村幸男さん 「素晴らしいですよね。言葉がないですね。大したもんだ。平和の建物という感じがしてきますね。すごいなぁ。」
新スタジアムを訪れるのは初めてで、そのピッチに初めて足を踏み入れます。 ■卒業生 下村幸男さん 「すごいなあ。考えられないなあ。こんなところで、高校のサッカーもするとは。選手はやりがいがあるでしょうね。(驚いたところは)全部ですね。かつてのプレーヤーとしたら、やはり芝のグラウンド、この緑の良さですね。我々の現役の頃の土のグラウンドでやったことを思いますとね、じゅうたんの上でやっている感じですよね。だから、いまの子どもはうらやましいです。」
自身も戦った広島県大会。優勝した決勝の雰囲気は、卒業から70年以上経った今も忘れられません。 ■卒業生 下村幸男さん 「決勝になるとね、両校の生徒がほとんど全員集まって、両サイドに分かれて大変な応援なんですね。ある意味では独特の大会。それは、おそらく広島だけじゃなかったかと思います。広大附属、広島一中、修道の3校が競ったから、そういう風になったのではないかと。全部サッカーの思い出。それをたくさんもらって卒業した。これは何にも代えがたい時代だったと思います。」