悪夢の結末…阪神・岡田彰布監督は「ふっふっふっ」岩崎優が打たれて九回崩壊
(日本生命セ・パ交流戦、阪神2-3楽天、2回戦、楽天2勝、5日、甲子園)悪夢は続くよ、どこまでも-。阪神は楽天に2-3で敗れた。ゲラが再調整で2軍落ちの中、岩崎優投手(32)が1点リードの九回2死二塁で小郷に逆転2ランを献上。4カード連続負け越しで甲子園では5連敗となった。貯金は1。貧打が投手陣を圧迫し、守りの岡田野球が崩壊。狂った歯車は戻らない。 【写真】試合前練習で飛んできたボールにバットを出す阪神・岡田彰布監督 4万2615人を詰め込んだ甲子園に響く「あと一人」コールは悲鳴に変わった。漆黒の下に小郷の放物線が描かれる。また訪れた九回の悪夢。ただ一人の守護神となった岩崎もつかまった。 「ふっふっふっ」 岡田監督は試合後の会見で岩崎のことを問われると、頰を緩めることなく、薄い笑みを浮かべていた。その矛先は2-1で迎えた九回2死二塁で逆転2ランを許した左腕に対して、ではない。 「それ(岩崎)は結果やろ。それまで2点じゃアカンっていうね。俺、五回から言うてた、『2点じゃ絶対にやられるで』って」 悪い予感は的中。坂本の外角要求に対し、内角球を投じた岩崎も失投だが、敗因はそこではない。 開幕からダブルストッパーで売り出していたゲラが不調に陥り、不振の大山とともに出場選手登録を抹消した。来日初の再調整を味わった右腕にリフレッシュ期間を与え、その間は岩崎に頑張ってもらうのが青写真だった。前川をプロ初の2番に抜てきし、先制打を放つも、打線は2得点のみ。薄氷を踏んで勝利をつかむために七回途中から石井、島本、漆原、桐敷とバトンをつないだ。その思いを野手は理解しているが表現できない。 交流戦は1勝6敗。セーブシチュエーションの失敗は早くも3度目を数える。岩崎は「申し訳ないです」と謝罪。指揮官は「2点で終わる打線がアカンって言うてるやん。打順何番に入れるとかそんなん、メンバー、今おれへんねんから。なんとか点とるためにこっちは、やってるだけであって」とかばった。甲子園では2021年6月19日の巨人戦から同27日のDeNA戦以来となる5連敗で、今季は11勝12敗1分けと負けが先行し始めた。過去6度のリーグ優勝年で甲子園で負け越したことはない。昨年も貯金を13も作った。広い甲子園を生かして、守り勝つ野球を目指しているが、肝心の投手陣があまりにも援護がないために勤続疲労が出ている。 4カード連続負け越しで、最大7あった貯金は1まで減った。首位巨人がロッテに敗れ、ゲーム差は1・5のままだが、喜んでいる状況ではない。交流戦を制するチームがペナントを制す。そこでチームが崩壊しているようでは球団初のセ・リーグ連覇は夢物語だ。