まさにベスト・オブ・ザ・レスト! F1日本GPで10位の角田裕毅を称賛する声続々
F1日本GPで、RBの角田裕毅は10位入賞を果たし、母国での初ポイントを獲得した。彼のパフォーマンスに称賛の声が続々と挙がっている。 【動画】角田裕毅ら同世代ドライバーがカート場で大暴れ! シティサーキット東京ベイで開催された『カートウォリアーズ』 もちろん、中には10位1ポイントでそんなに喜んでも……という声もあるかもしれない。しかし、こと今シーズンに関してはポイント獲得のハードルが非常に高くなっていることも事実だ。 レッドブルやフェラーリ、メルセデスといった3大チームの他、かつての名門チーム復活の機運を見せているマクラーレン、チーム強化に多大なリソースを割いているアストンマーティンの上位5チームと、下位5チームの間にある格差が激しく、トップ10に食い込むのは容易ではない。 そんな中で、角田は3戦連続で予選Q3進出を決め、レースでは2戦連続のポイント獲得を果たしているのだ。 開幕から4戦で、まさに可能な限り最高なパフォーマンスを見せている角田に対し、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコも、称賛を惜しんでいない。 レース直後のコメントでは「角田は確実に大きく成長した」と話したマルコは、ドイツのレッドブル系列ニュースサイト『Speedweek』のコラムの中で、角田について次のように語っている。 「ユウキは2回目のスタートでセンセーショナルな走りを見せた。彼のオーバーテイクは今回のショーだった」 「彼の週末は、マックス(フェルスタッペン)や(フェルナンド)アロンソたちと肩を並べるようなものだった。ホームレースというプレッシャーの中で、完璧で、スーパーなパフォーマンスだった」 角田の活躍は、当然レッドブル陣営以外からも高評価されている。F1公式ポッドキャスト『F1 Nation』の中で、主に耐久レースで活躍したレジェンドドライバー、トム・クリステンセンから”ドライバー・オブ・ザ・デイ”にピックアップされている。 「ドライバー・オブ・ザ・デイとして、地元のヒーローを挙げようと思う。予選で、いや週末全体を通して彼は日本のファンの気持ちを高揚させた」 そうクリステンセンは語った。 「レースでは、ターン6の逆バンクでピエール・ガスリーとニコ・ヒュルケンベルグをアウト側から抜いた動きは、誰にでもできる動きではない。彼はそのやり方を示したんだ。そして我々がベスト・オブ・ザ・レストと呼んでいるポイントを獲得したんだ」 こうした角田の活躍は、来季のF1参戦を狙うリアム・ローソンにとっても気になるところだろう。彼は今季、レッドブルとRBのリザーブドライバーを務めている。 昨シーズン5レースを共に戦った角田について、一歩前進したのではないか、RBのチーム内部でもそう考えているのかと聞かれたローソンは、「彼は決して遅くないんだ。いつもとても速いんだ」と、『F1 Nation』で語った。 「だから今年は調子を維持していると言ったほうが良いと思う。一貫性がとてもあって、ミスもない。そう、彼はとてもいい仕事をしているんだ」 角田の活躍に対し、まだ光るパフォーマンスを見せられていないダニエル・リカルドに代わって、ローソンが早々にシートを得るのではないかとも噂されているが、ローソンはただの噂だと話した。 「残念ながら現時点ではただの噂だよ。だから正直なところ、(将来のことは)まったくわからないんだ」 シーズン開幕から4戦は、ほぼ文句の付けどころがない戦いぶりを見せている角田。このパフォーマンスを可能な限り維持し、マシンアップデートを追い風にさらに上位を目指してほしいところだ。
松本 和己
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