ガチで天才!思わずシビれた…「たった一言」で強キャラを表現した秀逸セリフ
■「『THE WORLD』 オレだけの時間だぜ」
荒木飛呂彦さんによる『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)にも、これぞ強者と感じさせる一言がある。それが第7部「スティール・ボール・ラン」に登場したディエゴ・ブランドーで、終盤に第3部のDIOを彷彿とさせるセリフを口にした。それが、「『THE WORLD』 オレだけの時間だぜ」である。 それまでのディエゴのスタンド能力は、生物を恐竜化させるというものだった。しかし、ヴァレンタイン大統領がD4Cの能力を使ったことで、並行世界からスタンド能力の異なるディエゴが連れてこられる。 彼は「THE WORLD」を発動させると、時を止めてジョニィ・ジョースターに向かってナイフを無数放った。これはDIO定番の攻撃といっていいだろう。 時が動き始めると同時にナイフの攻撃を全てかわすのは不可能。致命傷を避けることだけで精一杯となってしまった。 DIOといえば時間停止とナイフというイメージがあるので、このシーンはファンにとっても嬉しかったに違いない。
■「考えたこともねェ」
最後は、板垣恵介さんによる『グラップラー刃牙』(秋田書店)に登場する地上最強の生物・範馬勇次郎のセリフだ。 勇次郎は他のキャラと比べてもあまりにも強すぎて、力の差を感じずにはいられない。最大トーナメント編ではふらっと会場に現れると、参加者を面白半分に壊してしまう……。自分を脅かす存在など、この世にいないといった様子だ。 そんな姿を見た息子の刃牙は、観客や闘技者たちの前で勇次郎に質問をした。「範馬勇次郎が考える闘争(たたかい)に最も必要なものってなんだい」……これに対して勇次郎の返した言葉が「考えたこともねェ」である。そして、「うまい料理を喰らうが如く……………………だ」とも付け加えているので、本能のまま闘争をしているのが分かった。 勇次郎には小手先の技術など必要なく、純粋な力だけで他者を圧倒することができる。そのスタイルは誰も真似ができないからこそ、そんな風に言えるのだと思う。 強キャラは、多くを語らず、実力で相手を黙らせるほどの凄みがある。そして、ここぞという時にバシッと決める力の見せ方で、誰もが絶望してしまう……。しかしだからこそ、その後、主人公がどう立ち向かうのかという展開の期待にも繋がるのだ。
大山元