トイレが狭すぎて手洗いがつくれない。図面の落とし穴に家づくり初心者は要注意
家づくりの際にチェックする図面。じつは、初心者にとって落とし穴も! 3年前に中庭のある平屋の家を建てた日刊住まいライター。1畳のトイレなら希望のタンクレストイレ+手洗い場も実現できると、図面から判断したものの、これが大きな勘違い。図面上の幅90㎝は、両側の壁の芯からの寸法で、内寸は76㎝でした。この苦い経験ののち、住宅建築コーディネーターを取得したからこそよくわかった「後悔しない確認の仕方」も紹介します。
思い込みとコミュニケーション不足でトイレは後悔
筆者は、2020年末に中庭のある平屋を新築。夫婦ふたりと大型犬1頭で、快適に生活しています。 でき上がった新居に大きな不満はありません。しかし、トイレだけは失敗したと感じています。希望していたのは、タンクレスでおしゃれな独立型手洗い場があるトイレ。しかし、実際に採用できたのは、手洗いつきタンクありのトイレでした。 結果としてはコストダウンにもなるので、そのまま進めました。ただとても後悔しています。思い込みとコミュニケーション不足は怖いと感じた、このてん末をお話ししましょう。
1畳のトイレなら幅は90cmと勘違いが失敗の始まり
わが家は夫婦そろってトイレには、あまりこだわりがありませんでした。最低限の広さがあって、掃除しやすければ十分という認識。そこで、間取りの設計で伝えた要望は、次の3点です。 ・居室空間を広く取りたいので、トイレは1畳あれば十分 ・タンクレスで掃除しやすい縁のないトイレ ・トイレ内の収納は便器上に棚があれば十分 じつは伝えて漏れていた要望がもう1点ありました。それは水ハネしにくい手洗い場。奥行きのある独立型がよいと考えていたのです。 この要望をちゃんと伝えればよかったのですが、1畳のトイレで幅が「90cm」もあれば「手洗い場ぐらいなんとかなるだろう」と深く考えませんでした。これが失敗の始まりです。
90cmだと思っていたトイレの幅が76cmしかない!
中庭や内装決めに時間がかかり、打ち合わせの終盤で、トイレの幅が76cmしかないという問題が発覚。言われてみれば当然ですが、1畳=幅90cmだとしても、あくまで壁芯の話。壁に厚みがあるので内寸は狭くなります。 気づいたときはすでに時遅し。トイレの両側には、畳敷きの主寝室と客間があります。畳の大きさから部屋の面積を割り出しているので、細かい調整はできません。もし調整するにしても、構造に関わる変更が必要に。このタイミングでの変更はすでに手遅れでした。