美容室全壊から1年 「恩送り」晴れ着に思い込め 1年遅れの成人式に美容師奮闘
地震後、知人やボランティアからさまざまな形の支援を受けた。どう恩返しすればいいのか悩んでいたが、支援者の1人から「『恩送り』ですよ。その気持ちを困っている誰かに返してあげてください」と聞き、心が晴れた。そうした体験をつづった作文が、全日本美容業生活衛生同業組合連合会のコンテストで、最優秀賞に選ばれた。
仮店舗を経て今月から、美容室のあった元の場所に構えた仮設店舗での営業も始まった。「美容師の仕事に誇りを持ってこの地で働き、喜んでもらう」。地元の人たちへの「恩送り」を胸に、これからも顧客と向き合う。(吉田智香)