LUNA SEAライブ会場に託児所 ロックコンサート“異変”の背景
昨年結成25周年を迎えたロックバンド・LUNA SEAが、2月13日、3月14日に大阪・大阪城ホールで開催されるライブの会場に託児所を設置することを公式サイトで発表しました。昨年12月21日の埼玉・さいたまスーパーアリーナ、同12月23日の神奈川・横浜アリーナに続き3度目の託児所の設置となります。ネット上では好意的な反応でしたが、こうした取り組みは、現在の音楽業界で広がっていくのでしょうか。
“ママさんアーティスト”も導入
実はこの託児所の設置、過去にもMINMIさんやアンジェラ・アキさんなど“ママさんアーティスト”を中心に行われています。 LUNA SEAには新規のファン層もたくさんついてきてはいますが、結成当時からの根強いファンも多く、彼らはLUNA SEAの活動と同じだけ年齢を重ねています。家族構成の変化も含め、なかなか若かりし頃と同じようにライブに足を運ぶ機会は減ってしまいます。 そこで、託児所を設置するなど、ライブにおけるアーティストの取り組みが変化を見せています。というのも、現在の音楽業界の主な収入はライブにまつわるものが主流になっているという背景があります。
売り上げは「CD」から「ライブ」へ
CDの売り上げは、1998年のピーク時が6075億円だったのに対し、2013年は2705億円と半分以下に落ち込んでいます。ちなみにパソコンや携帯電話におけるダウンロードの売り上げは2005年の統計調査スタート時では34億円でしたが2014年には436億円となっています。ダウンロードの売り上げは10倍以上になっていますが、1998年のCD売り上げのピーク時には遠く及びません。(一般社団法人日本レコード協会調べ・数字はおよその数) それではライブの売り上げはどのようになっているでしょうか? 同じように1998年と2013年を比較すると、1998年がライブの入場者数が1430万人、売り上げが710億円だったのに対し、2013年には入場者数が3885万人・売り上げが2318億円という驚異的な伸びを示し、CDやダウンロードの販売数とほとんど同じ売り上げになっているのです。(一般社団法人コンサート・プロモーターズ協会調べ・数字はおよその数) このような数字の推移の背景には、YouTubeなどの動画投稿サイトの台頭があります。以前はテレビやラジオ、CDショップの店頭でのみ可能だった試聴が自宅や移動中に可能になり、お金の落としどころがリアルに音楽を感じられる場所(ライブ会場)に移ったといえます。