LUNA SEAライブ会場に託児所 ロックコンサート“異変”の背景
ファミリーシートや女性専用フロア
そのため、アーティスト側としては音源を作ることはもちろん、ライブ会場にお客さんが来やすい環境作りを求められるようになりました。その一環として、託児所の設置の他、「ファミリーシート」「女性専用フロア」の導入、「学割キャッシュバック」などが挙げられます。 ファミリーシートとは、家族で来場することを前提とした、立ち上がることなくステージを見ることが出来る雛壇や2階席の最前列に設けられる席で、Mr.ChildrenやMONKEY MAJIK、いきものがかりなどが採用しています。 また、モーニング娘。卒業後、田中れいなさんが結成した4人組ガールズロックバンド・LovendoЯのライブでは、女性専用フロアを設置。男性の中に埋もれることなく、安全にロックサウンドを楽しめる場を作っています。 そして太陽光発電でのライブなどでも注目を集めるシアターブルックは、学生がライブハウスに来やすいようにと、チケット購入後来場した学生にはキャッシュバックをするという企画も行っています。 また、このような動きは音楽フェスにも広がっており、昨年のJOIN ALIVE(北海道・いわみざわ公園で開催)では保護者同伴に限り中学生以下は無料という価格設定が話題となりました。
ファン高齢化「座って見たい」?
実はこうした背景には、音楽ファンの高齢化という問題もあります。あるベテランロックバンドのマネージャーは「ライブハウス(スタンディング)でライブをするより、ホール(イスあり)でライブをした方が、チケットの先行発売の食いつきが目に見えていいんです。アーティスト側にはライブハウスでお客さんを盛り上げたいという気持ちも強いので、その調整をどうしていくのかが今後の課題です」と語っています。 このように音楽業界のあり方は大きく変容しています。この変化にどのように対応し、ライブでもどれだけのアイディアを盛り込めるのかが、今後のアーティストの存在価値にも影響を与えていきそうです。 (橋場了吾/REAL MUSIC NAKED)