「旭日旗」生放送を即停止 vs 「犯罪関連」も慎重に判断…韓国の動画配信、業者で異なる基準
【09月08日 KOREA WAVE】ストリーミングサービスは、その性質上、個人放送者(ストリーマーやBJ)の突発的な行動を事前に把握して防ぐことが難しく、社会的な論争が繰り返される傾向がある。特に韓国では最近、麻薬前科を持つ組織暴力団出身のBJや、露出度の高い衣装やダンスを売りにするBJが増加しており、「ディープフェイク」ポルノ犯罪の被害も深刻化している。 こうした状況の中、ネイバーのストリーミングプラットフォーム「チジジク(CHZZK)」と、SOOPが運営する「アフリカTV(afreecaTV)」は、コンテンツ管理の方法において明確な差が生じている。現在、両プラットフォームは韓国のストリーミング市場でシェア1位と2位を争っている。 ネイバーによると、チジジクは「クローバグリーンアイ」システムを使って、ポルノを含む不適切なコンテンツやディープフェイク関連の性搾取物をリアルタイムで検出し、即時削除している。この「クローバグリーンアイ」は、ネイバーが独自に開発したAI技術をベースとするポルノフィルタリングシステムで、ユーザーが画像や動画をアップロードすると、リアルタイムで不適切性を評価し、基準に反する場合は即座に削除する。 2021年に導入されたグリーンアイ2.0は、それまでの「正常」「ポルノ」の2つの区分を、「正常」「わいせつ」「成人」「不適切」の4つに拡張し、的中率も99.5%に向上させた。 ストリーミングの特性上、リアルタイムのAIブロックだけでは不適切コンテンツを完全に防ぐことができないため、ネイバーは24時間体制でモニタリングしている。今年1月、20代のストリーマーが旭日旗をあしらったTシャツとヘアバンドを着用して生放送に臨んだ際には、放送権限を即座に停止した。 チジジクは、運営初期に発生した不適切なストリーマーに対する批判を受け、利用規約を改定し、犯罪歴がある者や社会的な物議を醸すストリーマーの活動を制限している。具体的には、性犯罪・殺人・暴力・児童虐待・強盗・麻薬などの重大犯罪歴や、持続的な自傷行為、他人に対する暴力行為、他人の個人情報の無断共有、侮辱・脅迫・名誉毀損行為、性的な嫌がらせ行為などが含まれる。 ネイバー関係者は「引き続き、機能をアップデートし、快適なストリーミング環境を提供するよう努めている。本人確認を完了したユーザーのみが参加できるチャット機能の追加など、利用者が求めるストリーミングプラットフォームを構築していく」と述べている。 一方、アフリカTVについては、犯罪にかかわる疑惑のある一部の人気BJに対し、厳しく対処していないという指摘がある。アフリカTVは、法に触れる行為が確定する前には慎重に判断するという方針を維持しているものの、8月26日に組織暴力団出身のBJ兼ユーチューバーが運営する「キムガンペ放送局」を永久停止にした際も、速やかな決定には至らなかった。 アフリカTVのビジネスモデルでは自主規制には限界があるとの批判もある。同社は人気BJが受け取る「星風船(投げ銭)」に収益の多くを依存しているためだ。 アフリカTVとYouTubeで活動しているカム・ドンランは、最近自身のYouTubeチャンネルで、BJたちが「エクセル放送」(視聴者が星風船を支援する際にそのランキングをエクセルのように整理して公開する放送形式)主催者の一派とともに、麻薬・性行為により金を稼いでいると暴露し「一派は動物の王国だ」と発言した経緯がある。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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