北照対帯広工　7回に3番手で登板した北照・中谷（撮影・黒川智章）

＜秋季北海道大会：北照9－1帯広工＞◇16日◇1回戦◇札幌・大和ハウスプレミストドーム 【写真】147キロをマークしスタンドをどよめかせた１年生右腕・中谷嘉希 　12年ぶりのセンバツ出場を狙う北照が7回コールドで帯広工を下し、北海道大会初戦を突破した。7回に3番手で登板した右腕・中谷嘉希投手（1年）が、自己最速の147キロをマーク。スタンドをどよめかせた。 　2死から安打を許し、続く打者には四球も与えた。それでも落ち着いた表情のまま、最後の打者を三振にしとめ、試合を締めた。大会前の最速144キロを3キロも更新。「今日はしっかり気持ちを込めて投げました。（マウンドが）すごい投げやすかったです」と、爽やかに投球を振り返った。 　今秋のドラフト候補として注目される最速148キロ左腕・高橋幸佑投手（3年）ら先輩から投球、食生活のアドバイスを受け、素直に実践した。中学時代に500グラムほどだった夕食の白米は1キロに増量。厳しいトレーニングをしながらも体重が8キロ増えた。入学当初135キロほどだった直球が、半年で12キロもスピードアップした。「自分も2年後は（高橋のような）ああいう存在になりたい。3年の夏には155キロ」と言う。 　目標は広島で活躍した炎のストッパー、故津田恒実投手だ。中谷の生まれる約15年前に亡くなった選手だが「動画でたまたま見て、いいピッチャーだなと。真っすぐで押していくタイプが津田さん。自分もそういうピッチャーになりたい」と、未来を思い描く。 　消防士の父雅之さん（47）は北照OBだが、選手時代の最高成績は、高3夏の南北海道大会準優勝。父が果たせなかった甲子園出場もターゲットの1つだ。「自分の目標は甲子園に行くこととプロに行くこと。1番達成に近いのが北照だと思って（学校を）選びました」。進化の止まらないルーキー右腕が、まずは第1目標の甲子園に向けて、腕を振る。