センバツ広陵・支える人/下 応援団 横田誠也団長(2年) 勝利に応援で貢献を /広島
<第91回選抜高校野球> 「応援でチームの勝利に貢献したい」。甲子園のスタンドで演舞をする1、2年生の野球部員21人の応援団を率いる横田誠也団長(2年)は力を込める。寮では漫才を披露するなどムードメーカーだが、応援練習になると目つきが変わる。部の全体練習後、夕食をすませて薄暗いグラウンドの片隅で約1時間の応援練習を続けている。応援で使う曲は10曲以上あり、音楽に合わせた振り付け練習を黙々と繰り返して体に覚え込ませる。 自分たちの応援が選手の背中を押し、勝利に近付けさせると信じている。昨秋の岡山県倉敷市であった中国大会準々決勝の関西(岡山)戦。地元・関西のスタンドからは大声援が送られ、広陵は初回から2失点と厳しい立ち上がりになった。 不安が漂うスタンドで中井惇一副部長から「このままだと雰囲気に飲み込まれる。いいのか」と声をかけられた。「スタンドの雰囲気は選手にも伝わる。勝てる、という気持ちを全面に出した」。いつも以上に声を出し、メガホンも強くたたいた。すると選手も力強い打撃を見せ、13-8で乱打戦を制した。秋山功太郎主将(2年)は「スタンドの応援が、打たれても取り返せるという雰囲気を作ってくれた」と感謝する。 だが、昨年11月の明治神宮大会は、授業が重なりベンチ入りメンバー以外は現地に行くことができなかった。試合は0-9で敗れ、「応援が無かったことも敗因になったのでは」と感じた。出場していた藤井孝太外野手(同)は「応援で自分の気持ちも高められる。神宮大会で応援がなかったのは結構な痛手だった」と明かした。 センバツでは、野球部以外の生徒もアルプス席に駆けつけて大応援団になる。全校生徒や吹奏楽部との合同練習も控えており、「振り付けやメガホンをたたくタイミングなどは応援団長が基準になる。自分がミスをすると、応援に一体感が出なくなる」と気を引き締める。甲子園で着用する応援団のユニホームも新調された。「一糸乱れぬ応援を披露して、チームを勝たせたい」と振り付け練習にも一段と熱がこもる。【隈元悠太】=広陵編・終わり=