「虎に翼」で話題のライアン判事 エロ“男爵”から“子爵”になった沢村一樹のフェロモンが届いていた意外な相手
〈うさんくさい……〉 NHKの連続テレビ小説「虎に翼」で、伊藤沙莉演じるヒロインの寅子の肩に手を置いた瞬間、心の声でこう評されたのは、司法省の幹部を演じる沢村一樹だ。 【画像】沢村一樹が怪演した「セクスィー部長」の姿を見る 平成の御世では、エロ男爵として名を馳せた沢村だが、はて? 令和では? ◆◆◆
現場ではスマートな紳士ぶりを披露
沢村は司法省の寅子の上司で、アメリカかぶれの裁判官・久藤頼安、通称ライアンを演じている。久藤のモデルは、東京家庭裁判所所長などを歴任し、学習院院長も務めた内藤頼博だ。江戸時代には信州高遠藩3万石を治めた内藤家の15代目当主。「殿様判事」と呼ばれた実在の人物で、子爵でもあった。 男爵から子爵に、爵位が一つ上がったことになる沢村。現場ではスマートな紳士ぶりを披露していた。劇中で久藤に「ハーシー」と呼ばれる裁判官で、寅子の大学時代からの同級生・小橋浩之役の名村辰が語る。 「沢村さんには、僕ら若手の役者にも分け隔てなく接していただきました。現場の空気を和ませてくれる方でしたね。ある時、エッグタルトを差し入れしてくださって、それがとてつもなく美味しかったのをよく覚えています」 差し入れで現場の心をつかむ沢村は、爵位ならぬ肩書を替えながら芸能界を巧みに渡り歩いてきた。
NHKのコント番組で「セクスィー部長」を怪演し話題に
鹿児島出身の沢村は高校卒業後に上京すると「メンズノンノ」の専属モデルとして活躍。俳優に転身したのは、30歳を目前にした頃だった。 「そのころ、すでに人気モデルとなっていた沢村さんは、高収入を得ていたこともあり、俳優業に進むのを悩んだらしい。ですが、元々、俳優を目指して上京した原点を思い出し、演技の道に入る決意をしたそう。駆け出しの頃は、同じ事務所の江角マキコらのバーターで、『ショムニ』などに出演していました。転機となったのは、2000年に2時間ドラマの浅見光彦シリーズの主役に抜擢されたことです。ただ、大きな役でキャリアに箔がついたのは良かったのですが、好青年のイメージが付いてしまい、役者として伸び悩むのではと自分の今後を心配もしていました」(沢村の知人) さらに沢村を脅かす5歳下の後輩も現れた。 「メンノンのライバル誌の『メンズクラブ』出身の谷原章介が沢村と同じように、司会もできるいい人キャラの俳優として頭角を現しました。そんな中、沢村が埋没しないよう、自らのキャラとして掘り起こしたのが『エロ』だったそうです。のちに、谷原の存在があったからキャラ変できた、と周囲に語っています」(同前) バラエティー番組で下ネタトークを解禁した沢村は、2006年にNHKのコント番組「サラリーマンNEO」でさらなる当たり役に出会う。強烈なフェロモンを武器に相手を骨抜きにして難題を解決し、ビジネスを成功させる「セクスィー部長」を怪演し演技の幅を広げた。以後、ドラマや映画に引っ張りだこの俳優になった。