その効果は4年間も持続する!? 「筋トレ」が骨と筋肉に与える影響を運動医学専門誌が解説
ここ数年は、重いウエイトを使うことのメリットに関する議論が活発に行われているけれど、新たな研究により、筋トレを始めるべき理由がさらに増えた。 【写真】骨貯金できる!? 骨密度が上がる食べ物10選 スポーツ・運動医学専門誌『BMJ Open Sport & Exercise Medicine』に掲載された論文によると、筋トレが筋肉と骨に与える効果は最長4年も続くそう。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。
この研究では、最近リタイアした64~75歳の健康な成人369名が3つのグループに分けられた。1つ目のグループは週3回のウエイトトレーニング、2つ目のグループは週3回の自重・レジスタンスバンドトレーニング、3つ目のグループは通常のルーティンを、それぞれ1年間継続した。 研究チームは、プログラムの最初と最後および2年後と4年後に、参加者の体脂肪、骨と筋肉の強度を測定。参加者の中には1年後もプログラムの内容を継続している人もいれば、もともとのルーティンに戻っている人もいた。 測定の結果、重いウエイトで筋力トレーニングをした人々には脚の筋力の向上が見られ、その効果は最長4年にわたって持続することが分かった。自重・レジスタンストレーニングをした人々は筋力が若干低下したけれど、その割合は大きくなかった。 骨と筋肉の強度は加齢と共に自然と低下するため、戦線離脱の一因である骨折やケガのリスクが高くなる。 この結果を受けて研究チームは、次のように結論付けた。「リタイア年齢の健康な高齢者が重いウエイトを使った筋力トレーニングを1年間続ければ、筋機能が保持されて、長期的に有益な効果が得られるかもしれません」。つまり、ヘビーなウエイトトレーニングを1年以上続ければ、将来かなりよいことがあるということ。 ニューヨークシティのフィットネストレーニングスタジオPhilanthroFIT創業者で認定パーソナルトレーナーのダグ・スクラー氏によると、これは驚くようなことじゃない。今回の研究結果は「筋力トレーニングは非常に有益であるという、フィットネス業界で広く知られる事実を裏付けているに過ぎません」 スクラー氏いわく、重いウエイトを使うと筋肉と骨に負荷がかかる。「その結果、筋肉と骨が強くなり、ウエイトの負荷に対応できるようになります」 公認管理栄養士および認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストで、フィットネスジムStrength Lab共同創業者のアルベルト・マスニー氏も、ウエイトトレーニングを続けていると「骨がどんどん強くなり、何年にもわたって利益をもたらします」と後押しする。