若手エリート社員でも「都内住み」生活は苦しいが…安易にすがってはいけない「たった1つの習慣」
大学院卒業後に就職で上京して4年目の筆者は、今日まで家計管理に何度も苦労してきた。家計簿をつける習慣は半年で挫折し、ときにはムダ遣い続きでピンチのときもあった、そこで今回、やさしいお金の専門家/金融教育活動家・横川楓氏に、筆者自身と周囲の「お金の事情」について赤裸々に話し、アドバイスを伺った。 【マンガ】38歳会社員が絶句…2500万の「軽井沢の別荘」を買ったら「大後悔」 前編記事〈「200万円を借金してでも20代を充実させる」大手商社マンの「危ない家計」を絶対に真似してはいけないワケ〉では、筆者の友人のエピソードを引き合いに、お金の専門家である横川氏に家計管理に必要な(1)減らす、(2)貯める、(3)増やすという3つの習慣を訊いた。 つづく本稿では、家計管理をするにあたって避けるべき「たった1つの習慣」について解説いただいた。
意外と身近にある「借りる」という選択肢
「男女問わず、意外とリボ払いをしていたり、ローンを組んだりする若者が多い」と横川氏は指摘する。 その原因は、気づかないうちに「借りる」選択肢が我々の身近な存在になってしまっていることだった。 横川「女性の場合は高額なエステや脱毛サロンで、ローンで契約する人が結構います。初回は安価に施術を受けることができますが、2回目以降は高額なプランを提案されてしまいますので要注意です」 脱毛や美容医療など、高額な施術はSNSなどでも広告が出回っている。これまでの美容はお金がかかったとしても、数万円程度の化粧品を買うことぐらいしか選択肢になかったが、今では数十万円する施術も20代の女性の選択肢にある。 どんどん流行を追いかけるうちに、「借りる」習慣が身についてしまい、最悪の場合は「身を売る」ケースも今となっては少なくないのだろう。
ローンを組むときは「目的」をよく考える
横川「気づかないうちに『借りる』習慣が身についてしまうと、非常に危険です。例えば、初期設定でリボ払いになっているクレジットカードを登録してしまう若者も多いです。つい特典に釣られて登録したら、知らないうちにリボ払いに手をつけてしまっているという人も少なくありません。 知らず知らずのうちに金額が膨らんで支払いができなくなると、延滞金という無駄なお金がかかるリスクがあります。また、この履歴が信用情報として登録されてしまい、将来ローンが組めなくなってしまうこともあります」 美容医療のローン同様、気づかないうちに「借りる」に手を出してしまってそのままの若者は多い。良し悪しがわかりにくいさまざまな情報が出回る世の中、「借りる」ことが習慣化されてしまうと、抜け出しにくくなるという恐ろしさが、もっと広まるべきだと感じる。 横川「『お金が足りないから』という理由で借りることは必ず避けましょう。もしローンを組みたいとなった場合は、自分の中で『目的』をよく考えましょう。 例えば住宅ローン、車の購入などの大きいローンや、歯の矯正なども目的ありきの『借りる』だと思います。その点、脱毛も計画的に返せる見通しを立てることができて、確固たる目的があるのなら、その人次第で決めてもいいのではないでしょうか」 何を目的と捉えるか。前編記事で紹介した、私生活を充実させようと200万円を借りた大手商社マンにとって、「20代前半の交際費」は大事な目的だったのだろうか。