PGAツアー2勝のグレイソン・マレーが亡くなる 華やかなツアーの光と陰【コラム】
PGAツアーのチャールズ・シュワッブ・チャレンジは世界ランク1位のスコッティ・シェフラーを5打差で下し、ジュニア時代からのライバル、デービス・ライリーが栄冠に輝いた。 そんな中、ショッキングなニュースが試合中の選手に伝わり衝撃が走った。 第2ラウンドを2ホール残して途中棄権した30歳のグレイソン・マレーが翌朝遺体で発見されたのだ。コミッショナーのジェイ・モナハン氏が声明を発表し哀悼の意を表したが、その時点で死因は明らかにされず亡くなった事実だけが報じられた。 しかしマレーの両親が息子の死が自殺だったことを声明で認め、選手、関係者、ファンが大きなショックを受けた。 過去にアルコール依存症やうつ病で苦しんだことを公表してきたマレーは下部ツアーで低迷した時期もあったが、今年のソニー・オープン・イン・ハワイでキーガン・ブラッドリー、アン・ビョンホンとのプレーオフを制して7年ぶりツアー通算2勝目を挙げ復活。辛かった日々と決別したかに思われた。 最近は「ずいぶん明るくなった」とツアーで評判だったが自ら命を絶つことを選択した。 長い付き合いがあるメジャー2勝のウェブ・シンプソンは2人の出会いをこう振り返る。じつはマレー、8歳年上のシンプソンが後援するジュニアイベントの第1回大会チャンピオン。当時から卓越した才能の持ち主で、同じコーチ(テッド・キーギエル)に師事してきた。 「ウェルズ・ファーゴ選手権で会ったとき『今の君ならもうすぐ世界トップ50入り(現在58位)することができる』と伝えました。ここ数か月、いい意味で明るさが増したように思えたのに」と信じられない様子。 ウェルズ・ファーゴ選手権には母・テリーさんが同行していた。モナハン氏が彼女と電話で話したとき「あの週、一緒に過ごしたときのことをずっと話していらっしゃいました」。 10位タイに入った息子を「誇りに思った」とも。「家族は打ちのめされていますが、その一週間は彼女にとって大切な一生の思い出になったことでしょう」(モナハン氏) ウィル・ザラトリスはインスタグラムにこう投稿している。「彼の苦しかった人生の闘いは終わりました。彼はもう痛みを感じていないでしょう。素晴らしい人を失うのは本当に辛い。安らかに眠ってください」 優勝賞金5億円の裏で選手たちはさまざまな葛藤に耐えている。 ■こころのオンライン避難所 https://jscp.or.jp/lp/selfcare/ ■電話やSNSによる相談窓口の情報 #いのちSOS(0120-061-338) https://www.lifelink.or.jp/inochisos/ チャイルドライン(0120-99-7777) https://childline.or.jp/index.html 生きづらびっと https://yorisoi-chat.jp/ あなたのいばしょ https://talkme.jp/ こころのほっとチャット https://www.npo-tms.or.jp/service/sns.html 10代20代女性のLINE相談 https://page.line.me/ahl0608p?openQrModal=true ■相談窓口の一覧ページ 厚生労働省 まもろうよこころ https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/ いのち支える相談窓口一覧 https://jscp.or.jp/soudan/