日本最古「大野城跡」に違法キャンプ場 事業者に原状回復求める
福岡県は24日、太宰府市の四王寺山(しおうじやま)(410メートル)中腹にある日本最古の山城の一つである国特別史跡「大野城跡」に、違法なキャンプ場が開設されていることを明らかにした。服部誠太郎知事は同日、「非常に遺憾で、早急に是正されるべきだ」と強く非難し、設置した事業者から2025年3月までに是正するという計画書が提出されたことも発表した。 【写真】首里城地下の日本軍司令部壕が県史跡に 県都市計画課や県教委文化財保護課、市によると、現地は開発が制限される市街化調整区域であり、事業者は文化財保護法や都市計画法に基づく許可を申請していなかった。また仮に申請が出ても許可を出すのは難しい地域で、キャンプ場はできないとしている。 市は22年10月ごろ、約3300平方メートルの敷地内にプレハブのようなものが建てられているのを確認。県と市は23年5月以降に事業者への指導を続け、当初あったテントは撤去されたものの、コンテナやトラック荷台などの建築物6件の撤去が事業者の計画書通り進んでいない。また県と市は特別史跡である同地の原状回復も求め、連名で12月23日に警告板を設置した。市の担当者は「結論は原状回復しかない。国や県と相談しながら強く求めていく」と話した。 市によると、大野城は665年、宇美町と太宰府、大野城両市にまたがる四王寺山に百済から亡命した人らとともに築造され、1953年に国特別史跡に指定された。 キャンプ場は南東側の太宰府市にあり、設置したのは地権者の一人でリサイクル品などを扱う女性という。毎日新聞がキャンプ場に掲示されている連絡先に数回電話したが、電話に出た女性は「責任者が不在で、何もお答えできない」などと話した。【後藤浩明、森永亨】