アトランタ連銀総裁、10-12月期の利下げを想定-物価鈍化進展の兆し
(ブルームバーグ): 米アトランタ連銀のボスティック総裁は、インフレ率が鈍化を再開した兆しが見られる中、年内は10-12月(第4四半期)に1回の利下げを引き続き想定していると述べた。
ボスティック氏は4月と5月のインフレ統計の内容に触れ、価格変動が米金融当局の2%目標に向かいつつあることを示す「かすかな兆し」だと指摘。労働市場とインフレへのリスクはここ数週間に一段とバランスが取れてきているとの見方も明らかにした。同氏の最新の見解は、アトランタ連銀のウェブサイトに27日掲載された論文と、別に実施された記者会見で示された。
「インフレは依然として最大の懸念事項だ」と同氏は指摘。「ただし、リスクは当局の2大責務の項目全般で一段とバランスが取れてきている。それについて考慮する必要がある」とし、「今後どうなるかデータに任せるつもりだ」と語った。
年内利下げの回数を1回とするボスティック氏の予想は、連邦公開市場委員会(FOMC)参加者による最新予測の中央値と合致する。
今月のFOMC会合の2日目に当たる12日朝には、5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されたが、ボスティック氏は自身の予想を修正することはなかったと話した。
同氏は、年内のより多くの利下げもしくは利下げゼロ、または利上げさえも「あり得るシナリオ」として考えられるとして「データと足元の情勢を指針とする」と述べ、「いずれの会合もライブの会合と言える」とコメントした。
25年見通し
ボスティック氏は記者団に対し、2025年に4回の利下げを見込んでいることを明らかにしたものの、これほど先の時期については予想に強い確信がないと述べた。インフレ率は来年あるいはそれよりもやや先に2%に鈍化するとの見通しを示した。
「これは長い道のりだ」として、米金融当局は今後1年では2%インフレを達成できないかもしれないと指摘。「一段と長めの経験となりそうで、忍耐と警戒を私が説いているのもそのためだ」と語った。