忘れがたき「交流戦」 清原和博、頭部死球でヘルメットを叩きつけて大激怒! 人生初の“逆転満塁サヨナラ弾”も放つ
「もう頭パニックや。野球やってて良かった」
交流戦でも初の快挙に、清原は「もう頭パニックや。野球やってて良かった。プロ21年間で一番うれしいホームランや。自分の力じゃないような気がする。ファンが、チームメイトが、(昨年12月に亡くなった)仰木(彬)さんが打たしてくれたんやと思う」と喜びを爆発させた。 6月14日には古巣・巨人戦で2点リードの7回に代打として登場。総立ちになった右翼席の巨人ファンから「キ・ヨ・ハ・ラ~ッ!」の大声援を受けた清原は、遊ゴロで一塁を駆け抜けた直後、右翼席に向かってヘルメットを掲げ、エールに応えた。 「ビックリしたし、うれしかった。巨人が負けてる展開でやで。(巨人で)9年間身を削ってやって来て良かった」(清原)。 同年は6月19日の交流戦最終試合でも巨人と対戦し、4回にグラボースキーの先制3ランを呼び込む中前安打で出塁した清原は、長嶋茂雄(巨人)を抜いて歴代9位(当時)の通算1271得点を達成。そして、これが清原にとって最後の交流戦出場試合となった。 久保田龍雄(くぼた・たつお) 1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。 デイリー新潮編集部
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