サーモンの“陸上養殖” 大分・湯布院で生産拡大 「湧き水」で養殖期間を半減 新たな名物に
子どもからお年寄りまで幅広い世代に人気の魚「サーモン」。外国産が主流の中で、大分県の湯布院産サーモンの生産が拡大し、以前より市場に出回るようになっています。その理由を取材しました。 【写真を見る】サーモンの“陸上養殖” 大分・湯布院で生産拡大 「湧き水」で養殖期間を半減 新たな名物に ■養魚場跡地を活用 井口記者: 「大分市のスーパーの鮮魚コーナーです。サーモンがずらりと並ぶ中で湯布院産のサーモンが販売されています」 大分市のトキハインダストリーあけのアクロスタウンの鮮魚コーナーでは、「おおいたサーモン」が販売されています。サーモンといえば外国産が主流ですが、この商品はなんと「湯布院産」です。 ――サーモンというとどこのイメージがあります? (買い物客)「ノルウェー産ですよね」 ――ご存じでした? (買い物客)「知らないです。色もきれいだし、湯布院はおいしいものを作ってそうなイメージがありますよね」 トキハインダストリーあけのアクロスタウン店 阿部武司チーフ: 「大分で養殖されているというのを知らないお客様がいられるので、やっぱりびっくりされる方がいる」 湯布院産サーモンを手がけているのは宮崎県の井戸内養魚場。九州各地でサーモン養殖に乗り出す中、湯布院では養魚場の跡地を活用し、5年ほど前からサーモンを育てています。 濱砂慎吾専務: 「ここはもともと養魚場跡地で、海外のトラウトサーモンを養殖している。海でも航海できる品種です。いま銀毛(ぎんけ)していて、海に行けますよという合図です」 ■養殖期間3年→半分に 育てているのは、アメリカ産のトラウトサーモン=ニジマスです。海で養殖すれば成長速度が早まりますが、海水温が高い九州の海では難しいため、時間がかかるものの、淡水での養殖を採用しています。 ただ、ここ湯布院では、通常3年ほどかかる養殖期間を半分に抑えることができるといいます。 濱砂慎吾専務: 「この湧き水はいくら台風で雨が降ろうが何をしようが、濁ることもなければ水温が変わることがないので、魚の養殖としては非常に助かっている水」