青羽 悠『22歳の扉』大学生活を送りながら書いた、リアルタイムな京都、大学、青春小説
下鴨神社「鴨川と高野川の合流地点、つまり鴨川デルタの北側に下鴨神社はあって、家から歩いて十分ほどで着くことができた」
夜の哲学の道「京都にはかなりの数の観光客が押し寄せていて、近頃の清水寺や金閣寺はとりわけひどいようだけれど、この辺りはまだまともにふらつける場所だった」
鴨川「鴨川には春の光が差し、温められた土の甘い匂いが漂った。空は青く霞み、風が冬の名残の冷たさを運んだ」(「」内は本文より) 青羽 悠 あおば・ゆう●作家。 2000年愛知県生まれ。京都大学総合人間学部卒業。京都大学大学院にて修士号を取得。16年『星に願いを、そして手を。』で第29回小説すばる新人賞を史上最年少で受賞し、デビュー。他の著書に『凪に溺れる』『青く滲んだ月の行方』『幾千年の声を聞く』がある。 [文]タカザワケンジ(書評家、ライター) たかざわ・けんじ 聞き手・構成=タカザワケンジ/撮影=露木聡子 協力:集英社 青春と読書 Book Bang編集部 新潮社
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