人生は自分で決め、自分で歩くもの」偶然の出会いを成長につなげたてきた元ラグビー女子日本代表の玉井希絵さん【働くって何?③】
日本と何が違うのかを知りたいと思い、2023年にロンドンの「イーリング・トレイルファインダーズ」に移籍した。「日本だと30歳になったら結婚のためにそろそろ引退だよね?みたいな雰囲気があって居心地の悪さを感じていた」ことも背中を押した。 各国の代表クラスが集まるチームはレベルが高く、ベンチを温める時間も長い。ポジションも変更して「1年目は環境に慣れることで必死だった」。だが、そうした環境でもまれ、一回りたくましくなった。 2年目の今シーズンからは、日本の高校生に相当する「カレッジ」の女子寮に住み、コーチとして学生を指導する。「選手としてプレーするだけでなく、世界最高峰の育成プログラムと選手の意識を学び持ち帰りたい」と話した × × 玉井さんは偶然の出会いや恩師のアドバイスを受け入れて成長してきたが、周囲に言われるがまま流される人生を歩んで訳ではない。譲れない、譲りたくない局面では強い意志を貫き、新たな道を切り開いてきた。インタビューを一通り終えた後、自らの経験を基に若い人へのメッセージをお願いした。 「人生は自分で決めて自分で歩くもの。決めたことが並外れたことであっても、その先に誰も見たことがないような景色があると思って歩んできた。いろんな声や道があって迷うこともあると思うけど、自分にしかできない人生をつくっていってほしい」。その表情は晴れやかだった。