<街ぶら>京都鉄道博物館へ潜入 見る・さわる・体験するを満喫
幅30メートル・奥行き10メートル日本最大級の「鉄道ジオラマ」
また、実物車両の約80分の1スケールの鉄道模型を同館の係員が実際に運転する「鉄道ジオラマ」も迫力がある。これは交通科学博物館にもあった名物コーナーだが、今回はさらにパワーアップしているため、係員も「すごくよくなってます。ただ、その分複雑にもなってます」と苦笑しながら話す。
ただ、それだけ20分のうちに走るパターンは人によって変わるため、見るたびに違う走り方が楽しめるのが特徴。また、JRの車両だけでなく、筆者が見ただけでも近鉄の特急「しまかぜ」や阪急電車の車両も走るなど、幅約30メートル・奥行き約10メートルもの大きなジオラマを、のびのびと走る模型を楽しめる。 それとともに係員が車両をあやつる姿を見ることで、鉄道システム全体を楽しめるのも、このジオラマの大きな特徴だ。
「列車位置情報システム」でシャッターチャンス逃さない
同館にはほかにも、建物屋上が開放されている「スカイテラス」は注目の施設だ。JR京都駅方面へ向かう列車や新幹線、機関車車庫なども見ることができ、五重塔や京都タワーなども視界に入るため、京都で見る鉄道を満喫できるのが特徴だ。 また、これだけの車両を見られるため、当然のことながら写真におさめたい。そんな来館者の撮影をサポートすべく、屋上に設置された「列車位置情報システム」が同館前をまもなく通過する車両をひとつひとつ表示してくれるため、シャッターチャンスも逃さないよう工夫されているのはうれしい。
取材記者らそろって「1日じゃまわれない」
このほか、保線の現場で実際に線路点検に使われている「軌道自転車」走行を体験できたり、昭和初期と現在の駅などの自動改札や駅事務所設備をそのまま再現した「列車に乗ろう」や「SLスチーム号」の乗車など、様々な体験ができる。 取材した記者らからは、共通してこのような言葉が出た。「これ1日じゃ、まわりきれんわ」。そんな京都鉄道博物館の三浦英之館長は会見で「あきられないものにしなければならない。地域の皆様にも親しまれるものをつくり、お客様に楽しんでいただき、感動やひらめきなどを持ち帰って頂きたい」と笑顔で語った。 同館は4月29日オープン予定で、開館時間は午前10時から午後5時半(入館は閉館時間の30分前まで)。定休日は水曜日となっている。