「怖くてバンクに上がれなかった」ゴール後落車で脳挫傷、硬膜下に出血...27歳の競輪選手が復帰後の初勝利に喜び
玉野競輪場の「日刊スポーツ杯争奪戦/CTC杯(F1)」は14日、2日目を迎える。5RのA級準決勝に出走する松岡晋乃介(27歳・岐阜=109期)に話を聞いた。
ーー復帰後、初勝利おめでとうございます。
松岡:まだまだ手応えはないけど、この1着は嬉しいですね。前期も1着が取れていなかったので、前々期ぶりの1着です。
ーー大怪我からの復帰は大変だったでしょ。
松岡:和歌山のゴール後に落車して、気づいたら病院のベッドの上でした。脳挫傷と硬膜下出血で。最初の2週間は全く動けず吐き気も凄くて大変でした。12月に入って歩いたり、リハビリがスタートして1月からバンクに入って練習をするようになりました。最初は怖くて上バンクに上がれなかったんですよ。レーパンもブカブカになっているし体力も落ちているし、本当に復帰できるのかなって思っていました。今はレースを走れるだけでも有り難い。喜びを感じます。まだゴール前は恐怖心があるけど、数をこなして慣れていくしかない。レースも先行できればやっていくし、初心に戻って決まり手も増やしていきたいです。 話していると時折、言葉を詰まらせていた松岡。苦しい期間を乗り越えての復帰は本人にしか分からない葛藤もあっただろう。先行基本に戦いS級でも善戦していたポテンシャルの持ち主。これからの活躍に期待したい。(アオケイ・梅田記者)