〈詳報〉また鹿児島県警…知事も苦言 現職30代警官が少女と性交、免職処分 被害届なく逮捕せず 懲戒は今年5人目
鹿児島県警は22日、16歳未満の少女と知りながら性交したとして、県警本部警務部警務課の30代男性巡査部長を懲戒免職処分にしたと発表した。被害者本人に事情聴取できていないため、逮捕していない。今年に入り懲戒処分は5人目で、2人目の懲戒免職となる。県警は冒頭の概要説明のみカメラ撮影を認める記者レクチャーを開き、牛垣誠首席監察官は「被害者および関係者、県民に深くおわびする。再発防止策に取り組むさなかで遺憾だ。引き続き県民の信頼回復に真摯(しんし)に向き合う」と謝罪した。 【写真】〈関連〉これだけの警官が犯罪を…2020年以降の鹿児島県警察官の逮捕事案を時系列で確認する
県警によると、巡査部長は4月ごろ、16歳未満の少女と知りながら県内で性交した。9月下旬に関係者からの情報提供で発覚し、県警は不同意性交容疑で捜査した。少女側が被害届を出しておらず、本人への事情聴取ができていないことから立件は困難と判断。巡査部長の証拠隠滅、逃亡の恐れもないとして逮捕していない。巡査部長は加害行為を認めており、処分した。 県警では現職警察官の逮捕が相次ぎ、8月2日に再発防止策を公表。10月31日には不適切な事件処理で延べ38人を処分した。性犯罪関連では2020年以降計5人が逮捕されている。 岩瀬聡本部長は22日の県下警察署長等会議で「県民の信頼をさらに損なう事案で誠に遺憾。県民の信頼が不可欠だと認識してほしい」と述べた。石窪奈穂美公安委員長は「国家と国民に奉仕するという原点に立ち戻ってほしい」と話した。 県警は同日付で全職員に向けて「警察職員による非違事案の絶無について」という本部長通達を出し、職責の自覚と職務倫理の養成を改めて求めた。
塩田康一知事は同日の定例会見で「極めて遺憾。特に、警察職員による性犯罪が見受けられる。個人の問題ではなく、組織の問題だ」と指摘した。
南日本新聞 | 鹿児島