フジ解説委員・松山俊行氏 検事の恫喝的な取り調べに「客観証拠が乏しい場合の自白偏重というのが問題に」
フジテレビ政治部長で解説委員の松山俊行氏が22日、同局「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で無罪が確定した不動産会社プレサンスコーポレーション(大阪市)の山岸忍元社長(61)が国家賠償を求めた訴訟について言及した。 20日に大阪地裁で開かれた弁論では、特捜部検事が山岸氏の元部下を取り調べた際の録音・録画データが再生された。映像には、当時特捜部に所属していた田渕大輔検事(52)が「ふざけんな」「検察なめんなよ」などと罵倒し、机を叩き様子が収められていた。 閉廷後の記者会見で山岸氏は「検察の見立てに合わないから怒って、うそをつかせていた」と田渕検事の取り調べを批判。「検事個人の問題ではなく、検察組織が改革をしないといけない」と訴えた。 山岸氏は学校法人の土地売却資金21億円の横領を共謀したとして、19年に特捜部に逮捕、起訴された。大阪地裁は共謀があったとする元部下らの供述の信用性を否定。21年に山岸氏に無罪を言い渡し、確定した。 番組では、田渕検事の恫喝的な取り調べ映像を放送。自白ではなく、証拠を重視するのであれば、捜査機関側におとり捜査、盗聴などの新たな手法を認めるべきという意見に、松山氏は「まさに客観証拠が乏しい場合の自白偏重というのが問題になっていたわけですけれども、それが初めてこの特捜の取り調べが映像として公開されたということで、これをきっかけにやっぱりちょっと取り調べの在り方ってのは考えなきゃいけないと思います」と自身の見解を述べた。 ◇大阪地検特捜部の横領無罪事件 大阪府の学校法人の元理事長が不動産会社プレサンスコーポレーション(大阪市)の山岸忍元社長らと共謀し、法人の土地の売却手付金21億円を横領したとして、大阪地検特捜部に2019年に逮捕、起訴された。21年の大阪地裁判決は、山岸氏の関与を認めた元部下の供述を「虚偽の可能性が高い」と判断し、山岸氏に無罪を言い渡し、その後確定。山岸氏は22年に違法な取り調べがあったとして国に7億7000万円の損害賠償を求めて地裁に提訴した。