”乱流抑制”目指した今のF1レギュレーションは失敗じゃない! ウイリアムズ代表「今でも、2021年よりマシ」
2022年に導入されたF1の現行レギュレーションは、乱気流の影響を抑えて前を走るマシンを追従しやすくし、ひいてはオーバーテイクしやすくなるよう意図して設計されたものだった。 【動画】F1の技術が空を飛ぶ……Honda eVTOL しかし導入3年目を迎えてマシンの開発が進むにつれ、乱気流の悪影響が大きくなり、追従が再び難しくなってきているとドライバーたちは報告している。 メルセデスのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、乱流抑制に固執しすぎた現行レギュレーションに疑問を呈し、「ドン・キホーテの風車への挑戦のようなもの」だと語った。 現在議論が進められている2026年のレギュレーションについても、引き続きオーバーテイクの促進が目指されるのは間違いないはず。motorsport.comがウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表に、現行レギュレーションの最終シーズンとなる2025年に向けて変更が必要かどうか尋ねると、彼は「レギュレーションが失敗したとは思わない」と答えた。 「そう判断するのは本当に不公平だと思う。中団争いはかなり接戦だし、オーバーテイクも行なわれている」 「今見られるデータ上でも、2021年、20年のクルマよりはマシだと思う。でも特にトップ集団は、ダウンフォースが増えるにつれてついていくのが難しくなるような、とんでもない方法でマシンを開発してきたんだ」 「しかし、すべての指標やデータを見る限り、以前よりも接近していると思う。それは、そうする意図があったレギュレーションの結果なんだ」 「2025年に改善されるとは思わない。そうなると考える理由はない。2026年については、まだルールが批准されていない段階だから、評価するのは難しいよ」 アストンマーティンのチーム代表であるマイク・クラックは、現在の空力レギュレーションに関するボウルズの見解を支持した。 「ジェームスに同意する。レギュレーションは失敗ではないと思う」 「このレギュレーションは最初、様々なデザインが可能だったと思う。それから誰も望んでいないような支配があった。それが事実だ」 「しかし全体的に見て、あと1年あれば新しいものを迎えることができると思う。ジェームスが言ったように、まだ100%固まったわけではないんだ。我々はそれが楽しみだ」 「でも正直なところ、今のレギュレーションはよくできていると思う。ひとつのチームの後ろで、素晴らしいレースができている」 またクラック代表は、2025年の1月1日まで2026年に向けた空力開発に着手することはできないとしても、できるだけ早く2026年からの新レギュレーションを目にすることがチームにとって重要になると強調した。 「目標は6月末までにレギュレーションの第1弾を策定することだと思う」 「そしてそこから動き出すことになる。おそらくそのレギュレーションは完全なものにはならないだろう。でも、早めにレギュレーションを決めることは重要だと思う。誰にとっても大きな変化になるからね」 「重量の目標はどうなのか、クルマの構造はどうなるのか? タイヤのサイズは? 多くのことがまだ議論されている。あまり遅くなるべきではない」
Adam Cooper