30代、1人暮らし。毎月ギリギリで貯金ができません。どのくらい貯めていたらよいのでしょうか?
30代で1人暮らしをしているけれど、家賃や生活費を支払ったら貯金ができない、ギリギリの状態で生活をする人も多いのではないでしょうか。また、30代になって貯金がないことに焦りを感じている、少しでもいいから貯金をしたいと考える人もいることでしょう。 本記事では、30代が保有する金融資産がどのくらいなのか、30代単身世帯の消費支出、給与や貯金を増やす方法などを解説します。
30代が保有する金融資産の平均額はどのくらい?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降) 各種分類別データ 令和4年」によると、30代が保有する金融資産の平均は494万円、中央値75万円です。また、割合で見ると図表1のように、金融資産を保有していない、100万円未満といった人が多いことも結果から確認できます。 【図表1】
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降) 各種分類別データ 令和4年 1.金融資産の状況等 統計表の番号4」より筆者作成 また、「家計の金融行動に関する世論調査2022年(単身世帯調査)」によると、単身世帯の金融資産の保有額は2021年から2022年にわたって1062万円から871万になっており、減少傾向が見られています。
30代単身世帯の1ヶ月あたりの消費支出
総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 2022年」にて、単身世帯の消費支出の内訳を図表2のように伝えています。 【図表2】
総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2022年 表番号2」より筆者作成
30代の平均給与と貯金を増やす方法
国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、30~34歳の平均給与は413万円、35~39歳で449万円となっています。貯金を増やすのはなかなか難しいかもしれませんが、まずは以下の方法を検討してみてください。 ●固定費などの支出を抑えて貯金に回す ●副業で複数の収入源を持って収入を増やす ●各種控除やiDeCo、つみたてNISAなどを活用する 以下で、方法別に解説します。 ■固定費などの支出を抑えて貯金に回す 収入そのものを増やすのは簡単ではありませんが、支出を減らせば貯金に回すことができる可能性が高いです。毎月の収支を見直してみて無駄遣いがあれば、貯金に回せないか検討してみてください。 また、支出を抑える際には、固定費の見直しも有効な方法です。例えば家賃7万円のところ6万円の物件に引っ越す、スマートフォンの契約内容や通信会社を変更することで、1ヶ月あたりの支出を数千~数万円程度抑えられるでしょう。 ■副業で複数の収入源を持って収入を増やす 勤務先の就業規則に違反しない場合にかぎりますが、副業で複数の収入源を増やせればその分を貯蓄に回すことが可能です。すぐに始められたり、休日などにしたりできる仕事もあるので、本業に支障が出ない範囲内で収入を得てみてください。 ただし、副業による年間の所得が20万円を超えると所得税の課税対象となり、確定申告が必要となる可能性が高いので注意してください。 ■各種控除やiDeCo、つみたてNISAなどを活用する 固定費を抑えるのが難しく、勤務先が副業を禁止しているといった場合は、各種税金の控除を活用したり、iDeCo、つみたてNISAなどでお金を増やしたりすることを検討してみてください。 ●各種税金の控除:住宅ローン控除、保険料控除、医療費控除・セルフメディケーション税制、ふるさと納税など ●iDeCo(個人型確定拠出年金):公的年金以外に給付を受けられる私的年金制度。拠出した掛金は全額所得控除の対象で運用益も非課税 ●つみたてNISA:少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度。一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益は非課税の対象