フリー打撃で打ち込む坂本勇人(カメラ・小林　泰斗)

　巨人・坂本勇人内野手（３５）が１５日、“秘密兵器”でＣＳへの準備を整えた。映像付きの打撃練習用マシン「トラジェクトアーク」を東京Ｄに導入。ドジャース・大谷も使用する最先端マシンを約２週間、打ち込んだ背番号６は「しっかり調整できた」とうなずいた。 　坂本が東京Ｄのベンチ裏で向き合っていたマシンの正体が明らかになった。全体練習を終え「もう、やるしかない。裏でトラジェクトアークも打てていたし、大丈夫です」と２週間の調整期間を振り返った。 　トラジェクトアークは指定された投手の球速や回転率、変化量を、縫い目の空気抵抗まで考慮して再現できる最新の打撃練習用マシン。投手の映像も映し出されるため、投球の完全コピーが可能となる。ＭＬＢでは２０球団以上が導入し、大谷翔平もエンゼルス時代の２２年から愛用していることで知られている。巨人は９月下旬、東京Ｄの一塁側ベンチ裏に設置した。 　坂本がシーズン終了後に東京Ｄでの調整を選んだのも、高性能な“完コピマシン”があったからだ。投手の生きた球を見るため、フェニックス・リーグに参加する選手もいたが「実際のピッチャーに近い球を見られる。それがあるから宮崎に行かんで、こっちに残って打つのもありかなって」と決断。ポストシーズンに対戦する可能性がある投手を設定して打ち込み「すごいよ。試合みたいで」と目を丸くした。 　１６日の初戦はＤｅＮＡ・ケイが先発する。「初戦ね、取れれば一番ベストですけど、みんなで勝てたらそれでいいと思うので、頑張りたいと思います」。最新マシンも駆使し、準備万端。１２年ぶりの日本一へ打ちまくる。（内田　拓希）