男子やり投げ・新井(スズキ)4年ぶりV 意地の80メートル超、5位から逆転【陸上日本選手権】
パリ五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権第3日は29日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで行われ、男子やり投げの新井涼平(スズキ)が80メートル78で4年ぶり8度目の優勝を飾った。 ■第一人者「1投1投、修正」かみ合う 2014年から7連覇した第一人者が、意地の一投で王座に返り咲いた。男子やり投げの新井が5投目に、今大会唯一の80メートルスロー(80メートル78)で5位から一気に逆転。近年、体調不良などに苦しんできた33歳は、「また優勝できたことが素直にうれしい」と4年ぶりの戴冠を喜んだ。 4投目まで77メートル49の5位と伸び悩んだが、リリースポイントや腕の振り、腰の回転などを「1投1投、修正できていた」という。5投目はそれらがかみ合い、力強い雄たけびとともに大きなアーチを描いた。6投目は伸ばせなかったものの「合格点」と振り返った。 今季は3月に83メートル37を投げたものの、その後は不調。若手が台頭する中で「1試合1試合、ギリギリで戦ってきた」と食らい付いてきた。そこには、世界女王の北口(JAL)を中心に活況を見せる女子に対し、「自分と(ディーン)元気の最年長コンビで男子も盛り上げていきたい」との思いがある。 大会前の時点でパリ五輪の出場32枠を争う世界ランクは42位。今回の優勝で出場ラインに届くかは微妙だが意欲は衰えていない。「もっとやりを遠くに飛ばしたい。それだけを考えている。もしパリに行けるなら楽しみたい」と意気込んだ。
静岡新聞社