現代技術で蘇るイベントシーンから“新鮮さ”をもたらす要素まで 『メタルギア ソリッド デルタ』新トレーラー考察
6月10日に開催された『Xbox Games Showcase 2024』では、今後の発売予定のさまざまなゲームタイトルが発表された。人気シリーズの最新作である『Call of Duty: Black Ops 6』や『Gears of War: E-Day』のほか、メカアクションシューティングの『Mecha Break』に、中国の明朝末期を舞台にしたアクションRPG『明末:ウツロノハネ』といった完全新作まで、そのラインナップはさまざまだった。 【画像】『メタルギア ソリッド デルタ』最新トレーラーのスクリーンショット 本稿では、そのなかでも2004年発売の『メタルギア ソリッド3 スネークイーター』(以下、MGS3)をリメイクした『メタルギア ソリッド デルタ: スネークイーター』(以下、デルタ)を取り上げる。新たに公開されたトレーラーに焦点を当て、映像からくみ取れる情報や展望などを解説していく。 ■オリジナル版との比較が楽しい内容に 新トレーラーは、オリジナル版を再現したであろうオープニング映像から始まり、潜入から戦闘までを一通り確認できる。 光の強弱や影の濃淡を始め、各シーンでは本作のグラフィックの進化ぶりが見て取れる。主人公であるスネークは、髪の毛やヒゲ、着ている野戦服のしわなども細かく再現され、2004年当時からの変化には驚かされる。 野戦服やフェイスペイントを駆使して環境に溶け込み、敵をあざむく“カムフラージュ”というシステムが『MGS3』の特徴のひとつだったが、本作ではグラフィックの進化とともにその擬装の表現も強化されているだろう。草木や暗闇、山岳などに巧妙に隠れた際に発揮される擬装の程度が、いったいどれほどのものになるのか、個人的に楽しみだ。 映像では、途中から実際のプレイの様子も垣間見えるように。物語の序盤で登場する吊り橋を始め、ソコロフの亡命ほう助やエヴァとの接触の際に訪れる廃墟などを確認できる。 アクション関連で言えば、近接格闘術(CQC)を使った敵兵の拘束や尋問、無力化といった原作の要素も確認できたが、映像ではさらに新しいタイプも見受けられる。具体的には、仰向けのまま移動したり、肩越しに敵を狙い撃ったりもできるようだ。 俯瞰視点がメインだった『MGS3』とは違い、『デルタ』では肩越しの視点もあるようで、操作感としては『メタルギア ソリッドV ファントムペイン』に近いのだろう。同じフィールドでも、視点が変われば見える角度や印象も大きく変わる。そういう意味では、原作を熟知している人も新鮮な気持ちでプレイできるかもしれない。 今回のトレーラーに使われたイベントシーンは、『MGS3』の序盤で行われた作戦・バーチャスミッション時のものが中心。そこにジャングルから廃墟、山岳に基地など、さまざまな場所でのプレイ映像が差し込まれているという構成だった。イベントシーンのカメラワークなどはオリジナルを巧みに再現しており、『メタルギア』シリーズでも最高傑作と名高い『MGS3』を現行機でよみがえらせようとする開発側の熱意が感じられる。 ちなみに、YouTube上にあるKONAMIの公式チャンネルでは、『デルタ』について掘り下げた別の動画が投稿されている。海外版の『メタルギア』シリーズで、ソリッド・スネーク、オールド・スネーク、ビッグボスの声を務めているDavid Hayter氏のナレーションのもと、衣服の破れや弾痕といった傷跡などがリアルタイムで反映される、カメラ視点には俯瞰視点の「レガシーモード」と、肩越しの三人称視点の「ニュースタイル」というふたつのモードがあることなども明かされているので、こちらもチェックしてみるのがオススメだ。
夏無内好