マイクロストラテジー、ビットコイン購入加速-過去最大54億ドル
(ブルームバーグ): データ分析ソフトウエアの米マイクロストラテジーは、54億ドル(約8300億円)相当のビットコインを追加購入した。過去最大の規模で、大型購入は今月に入りこれで3度目。
米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、11月18日-24日に5万5500BTCを取得した。 これにより、マイクロストラテジーが保有するビットコインは約380億ドル相当となり、上場企業としては最大の保有額となった。
共同創業者のマイケル・セイラー会長は同社を「ビットコイン財務省」と称するなど、企業戦略に仮想通貨購入を取り入れている。マイクロストラテジーの株価は今年、500%以上の急騰を演じており、ほぼすべての主要株を上回るパフォーマンスを記録している。
マイクロストラテジーがビットコインを購入し始めた2020年は企業資金を購入に充てていたが、セイラー氏はその後、転換社債の起債と株式追加売り出しのプログラムを修正。最近の転換社債起債では、価値が転換価格を将来上回ることに賭ける貸し手がゼロ金利を受け入れた。同社は先月、420億ドルの資本調達計画を発表した。
ビットワイズ・アセット・マネジメントのアルファ戦略責任者、ジェフリー・パーク氏はセイラー氏について「企業財務の資本構造における金融裁定が実に巧みだ」と評価する。「同氏が作り出したのは実質ただで資金を借りられる仕組みだ」と述べた。
マイクロストラテジーは2020年から38万6700BTCを購入。平均すれば現在の保有価値の約60%で購入してきたことになる。しかし25日に発表したのは先週購入した分で、この時にビットコインは過去最高値付近にあった。従って購入価格は1トークン当たり約9万7862ドルと、今の価値とさほど変わらない。
このレバレッジ戦略に先週、懐疑の目を向けた専門家もいる。マイクロストラテジー株は21日に16%下げた。ビットコインが大きく下げれば、マイクロストラテジー株も同じ運命をたどるリスクがある。こうした現象は2022年に起きている。