「やすらガーデン」14日から供用開始 緑あふれる下関市・安岡の複合施設[山口県]
下関市がPFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式で進めている安岡地区複合施設「やすらガーデン」が14日に供用を開始する。「緑あふれる多世代交流型コミュニティ空間の創造」を基本コンセプトにした施設で、同市富任町の市園芸センター跡地に建設。集会施設棟と園芸棟、芝生広場で構成され、集会施設棟のエントランスホールは旧園芸センターにあった観賞用大温室をイメージした設計にするなど趣向を凝らす。 【写真12枚】で見る「やすらガーデン」 鉄骨造り2階建ての集会施設棟は「アトリウム」と名付けた吹き抜けのエントランス空間が広がる。芝生広場側の壁はガラス面を多くして採光や眺めを良くし、バッサイアなど約20種類約170株の鉢植えを飾る。パラソル付きテーブルセットも置き、居心地の良い集いの場としている。 2階の安岡コミュニティセンターには、集会や研修、講演会、軽運動など幅広い目的で使える講堂、四つの研修室、畳を敷ける三つのレクリエーション室がある。避難所にもなる。 1階には同センターのキッチンスタジオのほか、市安岡支所、「はまゆう図書館」が入る。緑の眺望が楽しめるくつろぎ型の図書館は一般図書、児童書の両エリアがあり、開館時の蔵書数は約3万冊。園芸センターにあった本を含む約1500冊の園芸関係の書籍をそろえる。席ごとに仕切りが付いた「静かな部屋」もある。 六角形の園芸棟は木造平屋だが、屋内に屋根を別に持つ構造の園芸相談室を囲む形で展示室と実習室を配置。ヒノキの芯柱が立つ。 建物の延べ床面積は集会施設棟が約2830平方メートル、園芸棟が約300平方メートル。整備面積約1900平方メートルの芝生広場には園芸センターのシンボルだった高さ十数メートルのワシントンヤシ3本を移植したほか、同じく園芸センターにあった大木をスライスしたベンチを置く。駐車場は約140台分、駐輪場は約30台分。 安成工務店など4社で構成する特別目的会社モア・ザン・グリーンが、建設・整備と15年間の管理運営を約34億7千万円(予定額)で市と契約。23年10月に着工した。安成工務店の藤本圭二郎取締役は「芝生広場を中心にしたまちづくりや、旧園芸センターの名残が感じられる施設に整備できた。多世代の幅広い方々に使ってほしい」と呼びかけた。 4月には都市公園の供用を開始。民間施設としてはカフェがやすらガーデンと同時に開業するほか、集合住宅やモデルハウス、診療所などが一帯で順次オープンしていく。 1月13日に開館記念式典があり、午後1時~同3時にはオープニング行事として地元中学生らによるまちづくりワークショップ、餅つき、定期利用団体による展示・発表、図書館おはなし会などがある。