CS初戦の勝敗分けた阪神金本監督と横浜DeNAラミレス監督の采配力の違い
香田投手コーチも、「マテオは横浜DeNAのクリーンナップの3人に相性がよかったので、あそこを潰してもらおうと」と、順番変更の理由を説明した。 マテオは、その期待に応えた。ロペスをポーンと内野フライに打ち取ると、筒香、宮崎を連続三振。そして8回には、桑原が、二死二、三塁のピンチを作ってしまうが、ベンチが動くことはなかった。 「今シーズン桑原が、ああいうところを抑えてくれて2位になった。信頼していた」と金本監督。桑原は、1番バッターの桑原を得意の外へのカットボールで、スイングアウトに仕留めた。 前出の評論家、池田さんは、「クローザーを除けば、イニングが多く残っているところから、いいピッチャーを出すのが、勝ちパターンの継投の鉄則だが、シーズン中の采配にこだわることなく、調子を見極めて金本監督は、ベストの選択をしたと思う。実際、桑原は、甘く抜けるようなボールが目立っていたし、クリーンナップにぶつけていたら、どうなっていたかわからない」と、このCS型勝利方程式を評価した。 「短期決戦ではチームの調子を見極めたベンチワークが勝敗をわける」というのが、“ミスター下克上”の元千葉ロッテの里崎智也氏の持論だが、まさに金本監督とラミレス監督のベンチワークの差が如実に出た。 CSが導入されてから過去10年でファーストステージで初戦を取ったチームが敗退した例はほとんどない。初戦敗退から連勝で逆転したのは、2009年の中日(2位)-ヤクルト(3位)の中日だけだ。だが、金本監督は、「(あくまでも)確率なんで、一切気を緩めることなく明日戦っていきます」と、気を引き締めた。 一方、背水の陣となるラミレス監督は「3戦目を考えず、明日勝つことだけを考えて試合に臨む」と、静かに反撃を宣言した。1番の桑原が一度も出塁できず、ロペス、筒香、宮崎の主軸3人でヒットは、たったの1本。一日にして沈黙した打線が目を覚ますのは難しいかもしれない。第2戦の両チームの先発予想は、阪神は今季のチーム勝ち頭の秋山、横浜DeNAは、左腕の今永である。