世界的自動車業界の経営陣、117年伝統のオートショーに代わりCESへ
117年の伝統を持つ自動車見本市のデトロイト・オートショーが来月10日の開幕を控え細部行事内容を公開している。20日にオートショー参加34ブランドを最終発表したのに続き、23日には会場に展示されるクラシックカーの写真と動画の一部を公開した。デトロイトはフォードとゼネラルモーターズ(GM)が事業を始めた都市という象徴性のおかげで米国の代表的な自動車都市に挙げられる。 だが世界の主要自動車・モビリティ業界のリーダーはオートショー期間にデトロイトではなくラスベガスに向かうものとみられる。同月7~10日に開かれる世界的家電IT見本市のCES2025で革新技術基盤の未来構想を明らかにするためだ。 世界販売1位のトヨタ自動車の豊田章男会長はCES開幕前日の6日に現場で「ウーブンシティ」に関する記者説明会を開く。トヨタが推進するウーブンシティは自動運転車、ロボット、人工知能(AI)モビリティでつながる未来型都市だ。 ボルボグループのマーティン・ルンドステッド最高経営責任者(CEO)もCESを訪れ「化石燃料から100%自由で、100%さらに効率的な運送手段と基盤施設」というテーマで演説する。ボルボは2040年までに温室効果ガス純排出量ゼロを達成するという目標で炭素排出量減少・除去技術を開発中だ。その中間段階として2030年には車1台当たり平均二酸化炭素排出量を2018年の排出量より75%減らす目標だ。 これに対し、デトロイトショーの「モビリティグローバルフォーラム」に演説者として自動車業界のCEOは現在までいない。代わりにトヨタの北米地域研究開発担当副社長が発表の舞台に上がる。豊田会長が飛行機で4時間の距離のデトロイトも訪問するかは明らかにされていない。ボルボは今回のデトロイトショーには参加しない。 未来モビリティ企業もデトロイトショーの代わりにCESを選んだ。グーグルの自動運転子会社ウェイモの共同CEOであるテケドラ・マワカナ氏はCESで基調演説に出る。現代自動車はCESで展示館は運営しないが参加団を設けた。 コロナ禍前の2019年にはデトロイトショーでは30種の新車が公開されるほど自動車メーカーが品質とデザインで競争を行った舞台だった。だが今回のデトロイトショーにはジェネシスやレクサスなどこれまで参加していたブランドの相当数が抜けた。現代自動車も公式参加ではなく現地委託販売会社の参加ブランドとして登録されている。現代自動車グループは3月のニューヨーク、11月のロサンゼルスのオートショーには現代自動車、起亜、ジェネシスの3ブランドがいずれも参加した。 韓国自動車業界関係者は「デトロイトは伝統の自動車都市ではあるが一般消費者のアクセス性が落ちる点が反映された決定ではないだろうか」と雰囲気を伝えた。 業界では米国の電気自動車「リビアン」がデトロイトショーに参加しそれなりに体面は保ったという評価も出ている。ただテスラなど他の電気自動車ブランドは参加しない。米自動車専門メディアのオートモーティブニュースは「かつて先導的イベントだったデトロイトショーはこの15年間の自動車メーカーと消費者の疎通方式変化の流れを見逃して競争力を失ってきた。オートショーが技術的技巧競争に偏り自動車マーケティングの価値を自ら遠ざけた結果」と指摘した。