会社の機械を誤って壊した場合、毎月機械代を「天引き」されてしまいますか?
会社で働いていると、普段から気を付けていても誤って機械を故障させてしまう場合があります。そこで会社から弁償を命じられ、毎月の給料から機械代が天引きされていた場合、労働基準法などの法律に抵触しないか気になる方もいるでしょう。 本記事では、会社の機械を誤って壊してしまった場合に給料から費用を天引きされる行為の問題性や損害賠償はどのようなケースで請求されるかなどについて紹介します。
天引きは労働基準法で禁止されている
労働者が会社の機械を壊してしまった場合、損害賠償を請求される可能性があります。 しかし、会社側が一方的に損害賠償金額を毎月の給料から天引きする行為は、労働基準法第24条によって禁止されています。そのため、会社は給料を規定通り支払い、その上で別に損害賠償を請求する必要があります。 また労働契約を結ぶ際、契約書において「会社の備品を破損した場合は、費用の1割を労働者が負担する」など損害賠償の金額をあらかじめ決めることも労働基準法第16条にて禁止されています。 ■損害賠償の請求自体は違法ではない 労働者に過失がある場合や故意に会社に損害を与えた場合、会社側が労働者に対して損害賠償を請求することは違法ではありません。 しかし、会社は労働者が行う業務によって利益を出しています。そのため、業務上で考えられるリスクをすべて労働者のみに負担させることは、不公平であると捉えられる場合があります。 実際に会社側が労働者に対して損害賠償を請求して裁判となった場合では、労働者への責任追及が制限されるケースが多く見られます。
損害賠償の請求にあたるケース
会社側から労働者に損害賠償を請求する行為自体は違法ではないため、労働者が故意に機械を壊してしまったり禁止されている行為による過失によって会社に損害を与えたりした場合は、損害賠償を請求される可能性があります。 具体的にどのようなケースで請求をされる可能性があるのか見てみましょう。 ・業務上の指示に反した取引を行い会社に損害を与えてしまった場合 ・会社の機械を指示とは異なる操作を行って壊してしまった場合 ・仕事中の不適切な言動により会社側にクレームが入ってしまった場合 ・社内の顧客情報や秘匿情報など社外への持ち出しを禁じられている情報をSNSなどで公開して会社にクレームが入ってしまった場合 ・社用車を運転して事故を起こし第三者の身体や物品などに損害を与えてしまい会社側が被害者に対して賠償金を支払った場合 労働者に大きな過失があるか、故意に行ったかなどの点が重要です。