働き方についての質問なのですが、休憩時間を取らず、その分早く帰ることはできますか?
「繁忙期に休憩をとれないほど忙しい」という職場もあるでしょう。また、疲れがたまっているときなどには「職場で休憩時間をとるくらいなら、その分早く帰って休みたい」と思う方もいるかもしれません。 では、万が一休憩せずに10時間働いた場合、その後そのまま帰ることは法律上問題ないのでしょうか。今回は、労働時間と休憩時間に関する労働基準法の規定や残業代の計算方法などを紹介します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
休憩時間は労働基準法によって定められている
結論からいえば10時間労働する場合、休憩をとらずに帰宅することは難しいと考えられます。 なぜなら、休憩時間は労働基準法第三十四条で、「使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」と定められているからです。 つまり、基本的には労働時間が6時間以上なら最低45分、8時間以上では最低1時間の休憩時間が必要とされているのです。したがって、10時間以上働いている方は、最低でも1時間の休憩時間を与えられなければいけません。 なお、労働基準法には上記のルールを守らなかった場合の罰則も定められています。労働者に定められた通りの休憩を与えなかった場合、労働基準法第百十九条により、「六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」とされています。 疲れていてできるだけ早く帰りたいかもしれませんが、1時間の休憩をとらなければ使用者が罪に問われるおそれがあるのです。 ◆休憩なしで帰れるのは6時間未満の勤務 労働基準法第三十四条では、労働時間が6時間未満の場合の休憩時間について定めていません。したがって、6時間未満しか働いていない場合には、休憩せずに帰宅できるといえるでしょう。また、使用者が休憩時間を与えなくても問題はありません。
毎日10時間労働は労働基準法に違反する?
労働基準法には、労働時間に関する規定もあります。時間外労働の上限は、原則として月に45時間もしくは1年に360時間としています。 そもそも時間外労働とは、法定労働時間である1日8時間、週40時間を超過した労働時間のことです。毎日10時間働いている方の場合、労働時間の内訳は法定労働時間が8時間、時間外労働が2時間です。月の勤務日数が20日であれば、1ヶ月あたりの時間外労働は40時間となるため、労働基準法には違反しないと考えられます。 ただし、1日11時間働いた日が1ヶ月に5日以上あった場合など、1ヶ月間の時間外労働の合計が45時間を超えると法令違反となる可能性があります。ですが、企業の繁忙期などの事情に対応するため、一定の条件のもとでの例外が認められることもあります。そのため必ずしも労働基準法に違法するとは限りません。