「浮いて呼吸を確保」水の事故を防ぐライフジャケットの正しい着用法とは 専門家に聞く
中国放送
広島県・坂町での水難事故を受けて、広島市消防局管内の「水の事故」の件数を年間ごとにまとめました。コロナ禍前の2019年は39件、2024年はこれまでに21件となっています。例年、7月・8月が多いとされていますが、ことしは多いペースだということです。 【写真を見る】「浮いて呼吸を確保」水の事故を防ぐライフジャケットの正しい着用法とは 専門家に聞く 楠本麗奈 アナウンサー 「広島県・呉市のかるが海浜公園です。多くの子どもたちが訪れています。海や川などの事故に気をつけないといけません」 日本赤十字社広島県支部の 佐藤藍 さんです。佐藤さんは、水難事故防止について講習を行ったり、海やプールで監視活動をしたりしています。 赤十字水上安全法 佐藤藍 講師 「水の事故で多いのが、海や川・池の釣りや水遊びによるものです。遊びに熱中して知らないうちに危ない場所に行くほか、足を滑らせて転落などします。衣服や靴を身につけたまま海や川に落ちる事故は、水着を着て泳ぐ事故よりも何倍も多く起こっています。水辺に行くとき持ってもらいたいアイテムが、『ライフジャケット』です」 (ライフジャケットを着用した場合) 「呼吸を確保することができますが、ギュッときつく閉めたことによって、海の中に入っても、しっかりと安定感があります」 (ライフジャケットを着用しなかった場合) 「話していると、肺の空気がなくなって少し沈んでいくのがわかります」 赤十字水上安全法 佐藤藍 講師 「ライフジャケットの一番の目的は、『浮いて呼吸を確保する』です。正しく着用しないと、ライフジャケットの効果がないので、しっかり着用してください」 ライフジャケットの効果 ▽浮力 ▽保温力(水の中にいると、体温が下がりやすいため) ▽岩や浮遊物からの衝撃を吸収する ▽視認性(目立ちやすい) 海上保安庁が出しているデータによりますと、漁船から海に転落した人で、ライフジャケットを着用していた場合の生存率は75パーセント。一方、着用してなかったケースは48%となっています。 もしライフジャケットを着ていなかったら、 ▽大きく息を吸い、空気を肺にためる。あごを上げると、呼吸しやすい。 ▽手足を「大の字」に広げる。怖がって腰を引くと、体が沈む。 ▽手は、水面より下に! ペットボトル・カバンがあれば、胸に抱える。 ▽靴やサンダルは、浮き輪がわりに履いたまま。
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